「もう限界…」PC値上げ地獄に終止符?ASUSが放つ“自社製メモリ”という大博打。2028年まで続く絶望のメモリ不足をどう生き抜くか

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最近、新しいノートパソコンの価格を見て「えっ、高すぎない?」と二度見したことはありませんか。

数年前なら10万円台で買えたスペックが、今や20万円、30万円が当たり前。そんな私たちの「財布の悲鳴」を止めるかもしれない驚きのニュースが飛び込んできました。

マザーボードやゲーミングPC「ROG」シリーズで知られる台湾の巨人、ASUSが、なんと自社でメモリ(DRAM)を製造する可能性があるというのです。

これまでパーツを「買って組み立てる」側だった王者が、なぜリスクを取ってまで「作る」側へ回ろうとしているのか。その裏には、私たちが直面している2028年まで続くという「絶望的なシナリオ」がありました。

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AIブームの裏で、ゲーマーと一般ユーザーが「置き去り」にされている現実

今、世界のメモリ市場は異常事態にあります。Samsung、Micron、SK Hynixといった巨大メーカーたちは、空前のAIブームに湧いています。彼らが今、必死に作っているのは、私たちが使うノートPC用のメモリではなく、データセンターで使われる超高価なAI用メモリです。

企業からすれば、利益率の高いAI向けを優先するのは当然の経営判断かもしれません。しかし、その煽りをモロに受けているのが私たちユーザーです。

供給が絞られたDDR5メモリの価格は高止まりし、ASUSのようなPCメーカーは、高騰した部品代を製品価格に転嫁せざるを得ない状況に追い込まれています。

「このまま指をくわえて値上げを待つのか、それとも自ら道を切り拓くのか」

ASUSが下そうとしている決断は、まさに後者です。レポートによれば、早ければ2026年にも自社工場を稼働させる可能性があるとのこと。これまで「お客さん」だったメーカーが「競合相手」に変わる。

これは、PC業界の勢力図を根底から覆す、まさに下克上の物語です。

2026年の夜明けか、それとも2028年までの泥沼か

ここで一つ、私たちが直視しなければならない「不都合な真実」があります。世界有数のメモリメーカーであるSK Hynixは、このメモリ不足の状況は「2028年まで改善しない」という極めて悲観的な予測を立てている点です。

もしこの予測が正しければ、あと3年以上もPCの価格は上がり続け、私たちは「買い時」を見失ったまま過ごすことになります。ASUSの自社製造プランは、この泥沼から抜け出すための唯一の希望の光に見えます。

しかし、道は険しいと言わざるを得ません。最先端のメモリを製造するには、莫大な設備投資と高度な技術が必要です。そこで噂されているのが、中国のメモリメーカー「CMXT」との連携です。

CMXTは独自のLPDDR5Xなどを発表し、世界を驚かせた新興勢力。ASUSがこの勢力と手を組むことで、既存の3大巨頭に頼らない「第3の選択肢」を作り出せるかどうかが、私たちの次のPCが安くなるかどうかの分かれ道になります。

「不安」を「納得」に変えるために。今、私たちはどう動くべきか

「ASUSがメモリを作ってくれるまで待つべき?」 そう思う方もいるかもしれません。しかし、現実的に考えて2026年、あるいはそれ以降に製品が安定供給される保証はありません。

読者の皆さんが今抱いている「いつ買えば損をしないのか」という不安。それに対する一つの答えは、ASUSのようなメーカーが「現状を打破しようと動き出した」という事実を、一つのリスクヘッジとして捉えることです。

もしASUSが自社製造に成功すれば、ROG Zephyrusのような人気モデルが、他社よりも圧倒的なコストパフォーマンスで登場する日が来るでしょう。

一方で、米中対立による機器輸出規制などの政治的なリスクも孕んでいます。私たちは、単に「安い・高い」だけでなく、その製品が「どこの勢力によって作られているか」という、より深い視点でデバイスを選ぶ時代に突入したのです。

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あとがき

ASUSの自社メモリ製造というニュースは、単なる企業の拡大戦略ではありません。それは、巨大な独占市場に対する「反逆」であり、コスト高に苦しむユーザーへの「神対応」になる可能性を秘めています。

もちろん、2028年まで続くという供給不足の波に飲み込まれてしまうリスクもあります。しかし、変化を恐れず自ら工場を建てようとするASUSの姿勢は、私たちに「希望」を感じさせてくれます。

次にあなたがノートPCのスペック表を見る時、メモリの欄に「ASUS Original」の文字が刻まれているかもしれません。その時、PCの価格は今よりもずっと身近なものになっているはずです。

「今はまだ買い時ではないのか?」という疑問への答えは、このASUSの挑戦がどの程度の本気度で進むかを見極めてからでも遅くはありませんが、個人的には一度値上ったものは元には戻らないと思っているので、今のうちに買っといたほうがいいかなと思っています。

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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