15万円超えのPC化を目指す次世代Xboxに対し、PS6は「コンソールの本分」である価格維持へ。最新技術をあえて削ぎ落とす決断…

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次世代機への過度な期待に対する冷や水、というわけではない。むしろ、普及価格帯を死守しようとするソニーの執念が見え隠れする。

2028年の登場が予測される「PlayStation 6」だが、GPUアーキテクチャにおいて最新の「RDNA 5」をフル採用しない可能性が濃厚となってきた。これが意味するのは、性能の頭打ちではなく、コンソール市場の生存をかけたコスト戦略の転換だ。

信頼度の高いリーカーKeplerL2氏の情報によれば、PS6のGPUはRDNA 5の全機能を搭載するのではなく、既存技術とのハイブリッド構成になるという。一見するとスペックダウンに映るかもしれないが、これはソニーにとって決して新しい手法ではない。

実のところ、現行のPS5もRDNA 1をベースにしつつ、レイトレーシングなどRDNA 2以降の機能を部分的に取り込んだカスタム仕様だった。PS5 Proにおいても、RDNA 3ベースにRDNA 4のレイトレーシング機能を接ぎ木している。ソニーにとって、コスト効率の良い「成熟した技術」と「必要な最新機能」のいいとこ取りをするハイブリッド設計は、もはや確立された勝利の方程式と言っていい。

背景にあるのは、避けて通れない深刻なコスト問題だ。PS6ではZen 6世代のCPUに加え、30GBもの大容量メモリ搭載が噂されている。昨今のメモリ市場や半導体コストの高騰を鑑みれば、これにフルスペックの最新GPUを載せた瞬間、BOM(部品表)コストは爆発する。販売価格が一般消費者の手の届かない領域へ飛び去ってしまうのは火を見るよりも明らかだ。

ここで興味深いのが競合の動きである。次世代Xboxには、Windows機能を統合した「PCライク」な端末となり、価格が1000ドル(約15万円)を超えるという噂さえある。もしマイクロソフトが「実質ゲーミングPC」という付加価値で高価格を正当化する道を選ぶなら、ソニーに残された勝ち筋は明確だ。

あえて最高スペックを追わず、価格をコンソールの常識的な範囲(例えば600〜700ドル)に抑え込むこと。ハイブリッドGPUの採用は、そのための唯一の現実解となる。

メモリや部材の高騰が続くハードウェア市場において、すべてを「最新・最高」で固めるリスクはあまりに大きい。カタログスペック上の数値競争から降ります、と言わんばかりのこの判断。だが、最適化によって体験価値を維持しつつ、ユーザーが買える値段で出すことこそが、次世代機の覇権を決定づける最大の武器になる。

 RDNA 5とは…

「NVIDIAへの逆転を狙ってゼロから設計し直される、次世代AMD製GPUの完全新エンジン」

これまでの技術の延長線上ではなく、アーキテクチャそのものを根本から作り直すことで、これまで弱点とされていたAI処理能力やレイトレーシング性能を飛躍的に高めることを目的としています。ゲーミングPCからコンソール機まで、あらゆるゲーム体験の基準を塗り替える可能性を秘めた期待の大型新人と言えます。

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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