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クアルコムがまた面白い手を打ってきた。次期フラッグシップ「Snapdragon 8 Elite Gen 5」に、あえてパフォーマンスコアを削った「7コア版」が存在することが判明したのだ。Geekbenchに突如現れたこのチップ、単なる廉価版と侮るなかれ。ベンチマークスコアを紐解けば、フォルダブルスマホにとっての「最適解」になり得るポテンシャルを秘めている。
事の発端は、3月17日に世界発表を控えるOppoの「Find N6」と見られる端末のスコアリークだ。搭載されているのは、通常の8コア構成からパフォーマンスコアを1つ減らした7コア仕様のSoC。しかし、プライムコアは4.6GHz、その他も3.6GHzと、クロック周波数自体はトップエンドの数値を維持している。
実測値を見ると、シングルコアスコアは3,524を記録。これは8コア版の正規モデルと全く遜色ない数字だ。ブラウジングやSNS、アプリの起動といった日常的な操作感に直結するのはこのシングル性能であり、ユーザーが「遅い」と感じる場面は皆無に近いだろう。
GPU性能を示すOpenCLスコアも24,103と極めて高く、Poco F8 UltraやRedMagic 11 Proといったゲーミング性能重視のハイエンド機と渡り合えるグラフィックス処理能力を確保している。

一方で、明確な差が出たのがマルチコア性能だ。8コア版と比較して約17%のスコアダウンが見られる。ただ、これを単なる「劣化」と切り捨てるのは早計だ。前モデルのFind N5でも同様の手法が採られたが、結果としてバッテリー持ちの良さで高評価を得た実績がある。
筐体スペースが限られ、放熱とバッテリー容量に制約があるフォルダブル端末において、ピーク性能をわずかに削ってでも実働時間を稼ぐという、Oppoとクアルコムの極めて現実的な判断が透けて見える。先代の7コア版と比較すれば10%の性能向上も果たしており、進化の歩みも止まっていない。
現時点ではOppo Find N6での採用が確実視されているが、他メーカーが追随するかは不透明だ。サムスンはGalaxy Z Foldシリーズで高クロック版を採用する傾向にあり、今年もその路線を継続する可能性が高い。絶対的なパワーを誇示するか、実使用でのバランスを取るか。
この7コア版の登場は、スペック競争一辺倒だったハイエンド市場において、あえて「引き算」をするという選択肢の有効性を改めて問うことになりそうだ。
Source:Geekbench

