記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
不気味なほど静かだった2026年の年明けだが、沈黙はまもなく破られる。Appleは2月下旬から3月にかけて、Mac、iPad、iPhoneのエントリーモデルを総入れ替えする大規模な製品投入を計画していることが明らかになった。
特に注目すべきは、長らく不在だった「廉価版MacBook」の復活と、プロフェッショナル向けM5チップの解禁だ。今回の発表は単なるスペック向上にとどまらず、ミドルレンジ以下の市場シェアを根こそぎ奪いにいくAppleの明確な意思表示と言える。
- MacBook A18 Pro
- MacBook Air M5
- MacBook Pro M5 Pro et M5 Max
- Studio Display(外部ディスプレイ)
- iPhone 17e
- iPad 12
- iPad Air M4
最大のトピックは間違いなく、A18 Proチップを搭載した新型の低価格MacBookだろう。Macシリコン(Mシリーズ)ではなく、あえてiPhone向けのAシリーズ「A18 Pro」を採用するという情報が正しければ、これは事件だ。画面サイズは13インチ未満、明るいカラーバリエーション展開というリークからは、かつての「iBook」や「12インチMacBook」の再来を予感させる。
だが、懐古主義ではない。A18 Proの省電力性と処理能力があれば、ファンレスで長時間駆動する「Chromebookキラー」が完成する。学生やライトユーザーにとって、iPadでは帯に短し、MacBook Airでは高すぎた隙間を埋める戦略的デバイスになるはずだ。
ハイエンド層にはM5 ProおよびM5 Maxを搭載したMacBook Proが用意される。昨年秋のM5(無印)登場から半年足らずでの投入は、Appleシリコンの開発サイクルが完全に安定軌道に乗った証左だ。これに合わせ、MacBook AirもM5へ移行するが、こちらはデザイン変更なしのマイナーチェンジに留まる。Airに関しては、将来的なOLED搭載やM6世代での刷新を見据えた「繋ぎ」のモデルと見ていい。
周辺機器で長年放置されていた外部ディスプレイにも動きがある。2022年から更新が止まっていたStudio Displayの後継機と見られる新型モニターは、リフレッシュレートの向上が噂されている。ProMotion(120Hz)対応となれば、MacBook Proユーザーが抱えていた「本体はヌルヌル動くのに、外部モニターが60Hzでカクつく」という長年のストレスからようやく解放されることになる。

モバイルデバイスの刷新も容赦がない。iPhone 16eは在庫がなくなり次第、iPhone 17eへと切り替わり、iPad AirもM3からM4へと心臓部を載せ替える。無印iPad(第12世代)の投入も含め、春の新学期シーズンに合わせたラインナップの底上げは徹底している。
逆に言えば、現行のiPhone 16eやM4 Pro搭載MacBook Pro、そして現行Studio Displayを今買うのは悪手だ。数週間以内に型落ちとなる製品に定価を払う必要はない。
3月のAppleは、ハイエンドの性能誇示と、エントリー層の囲い込みという二面作戦を展開する。特にA18 Pro搭載MacBookがどこまで価格を抑えられるかが、今年のPC市場の覇権を左右する試金石となる。既存のPCメーカーにとって、悪夢のような春が始まろうとしている。

