AirPodsに「幻のピンク」が存在した?なぜAppleは頑なに白を守るのか。2026年モデルの最新予想と、カラーバリエーションが出ない本当の理由

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街を歩けば必ず目にする、あの耳元で輝く「純白」のシルエット。2016年の登場以来、AirPodsはiPod時代から続くAppleの象徴的なホワイトを一度も崩したことがありません。

しかし、もしあなたのバッグの中に、鮮やかなピンクやイエローのAirPodsが入っていたかもしれないとしたら、どう思いますか?

最近、Apple製品の希少な試作機を収集しているコレクターのKosutami(コスタミ)氏。

彼が最近、自身のSNSなどで公開した「幻のプロトタイプ」の画像からは、Appleが製品を世に送り出す最終段階まで、実は白以外のカラーバリエーションを真剣に検討していたという驚きの舞台裏が透けて見えてきました。

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iPhone 5cの再来?ボツになった「カラフルなAirPods」の正体

公開されたプロトタイプは、iPhone Xの開発時期にテストされていたものと見られています。そのカラーパレットは、かつて「多色展開」で世を驚かせたiPhone 5cにインスパイアされた、鮮烈なピンクとイエローでした。

面白いのは、その色の付け方です。充電ケースの外装こそポップな色に染まっていますが、蓋を開けた内部やイヤホン本体は、従来の「白」が維持されていたのです。

想像してみてください。鮮やかなピンクのケースから、スッと真っ白なイヤホンを取り出す瞬間。Appleはこの時、新しいファッション性を追求すべきか、それとも「AirPods=白」という強力なブランドアイコンを守るべきか、激しく葛藤していたに違いありません。

最終的に彼らが選んだのは、色の統一による「一貫性」でした。この妥協のない選択こそが、今のAirPodsを「一目でそれと分かる」存在に押し上げたのです。

なぜBeatsは良くて、AirPodsはダメなのか

ここで一つの疑問が浮かびます。Appleの子会社であるBeats(ビーツ)は、これでもかというほど豊富なカラーバリエーションを展開していますよね。最新のトレンドを反映した限定色も珍しくありません。

それなのに、なぜ本家AirPodsだけが頑なに白を貫くのか。

それは、AppleにとってAirPodsが単なるオーディオ機器ではなく、「ミニマリズムの象徴」だからです。iPhoneやApple Watchが個性を表現するデバイスであるのに対し、AirPodsは「魔法のように消える存在」であることを求められています。

耳に装着した時の違和感を消し、どんな服装にも馴染む。その究極の答えが、あのアイコニックな白だったというわけです。

「たまには味変も欲しいよ…」なんて、切実なユーザーの悩みを知ってか知らずか、Appleは今日もその純白のプライドを守り続けています。

2026年、AirPodsは「色」ではなく「目」を持つ?

では、私たちが期待していい「未来のAirPods」はどんな姿なのでしょうか。

残念ながら、2026年に発売が噂されている次世代モデルでも、カラーバリエーションが追加されるという確かな情報はまだありません。しかし、その代わりにAppleは「色」よりもずっと刺激的な進化を計画しているようです。

最新のレポートによると、次期AirPodsには赤外線カメラが搭載される可能性があるとのこと。これは単に写真を撮るためのものではなく、AI(人工知能)機能を強化し、ユーザーの周囲の状況を把握したり、ジェスチャー操作をより精密にするための「目」になると期待されています。

「可愛さ」よりも「賢さ」。AppleはAirPodsを、単なるイヤホンから、耳に装着する究極のAIデバイスへと進化させようとしているのです。

あとがき

幻のピンクやイエローのプロトタイプを見て、少しだけ「もったいないな」と感じたのは私だけではないはずです。もし発売されていたら、アクセサリー感覚で選ぶ楽しさがあったでしょう。

しかし、こうして歴史を振り返ってみると、Appleが頑なに色を変えなかったからこそ、私たちは白いイヤホンを見ただけで「あ、AirPodsだ」と直感できるようになりました。この強力な刷り込みこそが、Appleが10年かけて築き上げた最大の資産なのかもしれません。

「汚れが目立つのが不安」「もっと服に合わせたい」という悩みへの解決策として、最近ではColorWareのようなカスタムショップや、サードパーティ製のカラフルなケースカバーも充実しています。

Appleが色を出さないなら、私たちが自分色に染めればいい。そんな自由な楽しみ方も、今の時代には合っている気がします。

2026年、カメラという「目」を持ったAirPodsが登場した時、それはまだ白いままなのでしょうか。それとも、ついにAppleが私たちの「色への渇望」に応える日が来るのでしょうか。

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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