数ヶ月にわたるリーク合戦を経て、ついにソニーがフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM6」を正式に世に送り出した。
結論から言おう。今回のモデルは単なるマイナーチェンジではない。価格は329.99ドル(約5万円)と先代のXM5から約10%の値上げとなったが、それを補って余りあるのが「異常」とも言えるノイズキャンセリング性能の進化だ。市場最強の座を不動のものにするための、ソニーの本気が詰まっている。
日本では、WF-1000XM5当初の発売価格が4万円ちょっとだった事を考えると、ついに5万円の大台に乗った感じになるが、日本での発売価格はどうなることか…
最大のトピックは、やはり圧倒的な静寂性にある。心臓部には新型「QN3e」プロセッサを搭載し、その処理速度は前モデルの3倍に達する。さらに驚くべきは、左右合わせて8つものマイクを搭載している点だ。
左右連携してノイズを徹底的に検知・相殺するこのシステムにより、海外メディアのレビューではすでに「ほぼ完全な遮断」と評されている。電車や航空機内での静寂性能は、もはやオーディオ機器の枠を超え、最強の「デジタル耳栓」としての完成度を極めた。
音質面での進化も見逃せない。ドライバーユニットの刷新に加え、DACとアンプも改良されたことで、よりクリアかつ繊細なサウンドを実現した。興味深いのは、一部のメディア評価において、オーバーヘッド型の名機「WH-1000XM5」や最新のヘッドホンラインさえも凌駕するオーディオ性能だと絶賛されていることだ。小型のイヤホンが大型ヘッドホンの体験を超える、そんな逆転現象が起きている。
通話品質についても、ビームフォーミングマイクと骨伝導センサー、AI処理を組み合わせることで死角をなくした。騒音下でも「自分の声だけ」を相手に届ける技術は、ハイブリッドワークが定着した現代において強力な武器となる。
バッテリー持ちはイヤホン単体で8時間、ケース込みで24時間と前モデル据え置きだが、処理能力の劇的な向上を考えれば、スタミナ維持はむしろ評価すべきポイントだ。5分充電で1時間使える急速充電も健在である。カラーはブラックとプラチナシルバーの2色展開で、すでに注文が可能となっている。
329.99ドルという価格設定は、確かに安くはない。しかし、移動中の騒音ストレスから完全に解放されたいユーザーにとって、この投資対効果は計り知れないものになるはずだ。AppleやBoseがひしめくハイエンド市場において、ソニーは「圧倒的な静寂」という最強のカードを切ってきた。競合他社がこの高いハードルをどう超えてくるのか、ワイヤレスイヤホン市場は新たな性能競争のフェーズに突入した。
製品仕様一覧
| 項目 | 詳細 |
| 製品構成(付属品) | イヤホン、充電ケース、USB充電ケーブル、イヤホンチップ(4サイズ) |
| ヘッドホンタイプ | 密閉型 |
| ドライバーユニット | 8.4 mm |
| 質量 | イヤホン:約6.5g × 2(Mサイズチップ含む) 充電ケース:約47g |
| ケース外形寸法 | 約61.6 x 41.1 x 26.5 mm |
| 防水性能 | IPX4相当 |
オーディオ・機能
| 項目 | 詳細 |
| ノイズキャンセリング | 対応 |
| 外音取り込み機能 | アンビエントサウンドモード、クイックアテンション対応 |
| 周波数特性 | 20 Hz – 20,000 Hz (44.1 kHzサンプリング) 20 Hz – 40,000 Hz (LDAC 96 kHzサンプリング 990 kbps) |
Bluetooth 仕様
| 項目 | 詳細 |
| 通信方式 | Bluetooth標準規格 Ver.5.3 |
| 有効範囲 | 約10 m |
| 使用周波数帯域 | 2.4 GHz帯 (2.4000 GHz – 2.4835 GHz) |
| 対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP, TMAP, CSIP, MCP, VCP, CCP |
| 対応コーデック | SBC, AAC, LDAC, LC3 |
| 対応コンテンツ保護 | SCMS-T |
バッテリー性能
| 項目 | 詳細 |
| 充電方法 | USB充電 / ワイヤレス充電(ケース使用) |
| 連続音声再生時間 | 最大8時間 (NC ON) / 最大12時間 (NC OFF) |
| 連続通話時間 | 最大5時間 (NC ON) / 最大5.5時間 (NC OFF) |
| バッテリー種類 | リチウムイオン充電池 |

