RTX 5060 Tiの高騰で上位モデル5070と価格差が…アナタが買うならどっち?

Amazon Audible

記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓

PCゲーマーにとって「コストパフォーマンスの要」とも言えるミドルレンジ帯に、深刻な地殻変動が起きている。もし今、手頃な価格でVRAM 16GBのグラフィックボードを探しているなら、購入ボタンを押す前に一度手を止めたほうがいい。ドイツをはじめとする欧州市場での価格高騰が、ここ日本国内の相場にも暗い影を落とし、下位モデルを買うメリットが事実上消滅しつつあるからだ。

事の発端は欧州からの報告だ。ドイツ市場において、GeForce RTX 5060 Ti 16GBモデルの実売価格が、昨年末の411ユーロ(約7万円台)から、直近で573ユーロ(約10万円弱)まで急騰した。一方で、上位モデルであるRTX 5070の価格は619ユーロ前後で推移している。

その差、わずか46ユーロ。日本円にして約8,000円程度の違いしかない。性能差を考慮すれば、RTX 5060 Ti 16GBを選ぶ合理的理由は完全に失われたと言っていい。背景にあるのは世界的なメモリ(VRAM)不足であり、これが大容量メモリを搭載したミドルレンジ製品を直撃している。

翻って、2026年2月現在の日本市場を見てみよう。秋葉原や主要ECサイトの相場を確認すると、この「逆転現象」は対岸の火事ではないことがわかる。

現在、国内のRTX 5060 Ti 16GBモデルは、最安値クラスでも9万円台後半、人気モデルでは10万円を優に超える価格設定が目立ち始めた。一方のRTX 5070は11万円台半ばから購入可能だ。かつては明確な「階級差」として存在した3〜4万円の価格ギャップが、いまや1万数千円程度にまで圧縮されている。代理店手数料や円安の影響を含んでも、下位モデルの割高感は異常なレベルに達している。

競合であるAMDに救いを求めても、状況は芳しくない。米国ではRadeon RX 9070が629.99ドル(約9万5000円)まで値を上げており、日本国内の実売価格も10万円の大台に乗っている。

「Crimson Desert」のような大型タイトルのバンドルキャンペーンで割高感を相殺しようとしているが、純粋なハードウェア投資としては厳しい局面に変わりはない。RTX 9070 XTに至っては729.99ドル(約11万円)で横ばいだが、これも本来の希望小売価格からは乖離がある。

現状の最適解は極めてシンプルかつ残酷だ。予算を1万〜2万円上乗せしてRTX 5070を狙うか、あるいはこの高騰の波が過ぎ去るのを待つか。

かつて「60番台」のカードは6万円前後で買えるメインストリームの象徴だったが、16GBというメモリ容量が必須となりつつある今、その定義は書き換えられようとしている。

VRAM不足というサプライチェーンの問題が解消されない限り、この歪な価格構造はしばらく続くはずだ。これから自作PCを組むユーザーは、型番の数字に惑わされず、分単位で変動する「実売価格の差」をシビアに見極める必要がある。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアしてくれると励みになります
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

気になる項目をクリックしてね