PlayStation 5のセキュリティをめぐる攻防が、決定的な局面を迎えた。改造された本体向けに海賊版タイトルを配信していた非公式ストアアプリ「Overdrive」が突如として機能を停止し、公開先だったGitHubページも削除された。プラットフォームホルダーであるソニー・インタラクティブエンタテインメントによる直接的な法的措置、いわゆる著作権侵害停止命令が下された公算が大きい。
事態の発端は、9月下旬に登場した脆弱性攻撃「Relapse」だった。これまで脱獄といえば、長期間ネットワークから切り離された古いファームウェアを維持するのが鉄則。しかしRelapseは、ごく最近まで現行だったバージョン13.60にまで対応を広げた。ハードウェアの改造ハードルが一気に下がったことで、界隈が一気に活気づく。
その波に乗って登場したのがOverdriveだ。このアプリは、いわば裏のPlayStation Store。本来なら非公式フォーラムを探し回り、手動で導入しなければならない違法ファイルを、コンソール上の洗練されたインターフェースから直接検索、ダウンロードできるように仕立て上げた。「Marvel’s Spider-Man 2」や「Cyberpunk 2077」といったAAAタイトルを、あたかも公式サービスのようにホーム画面へ並べる手軽さ。この極めて危険な敷居の低さが、ソニーの逆鱗に触れたのは想像に難くない。
🚨 NEW: Lawyers of Sony Interactive Entertainment reportedly sent a cease and desist letter to PS5 jailbreak hackers of OVERDRIVE, an illegal online app which offered more than 1,600 PS4 & PS5 games as free downloads. As for now the storefront is closed. https://t.co/WU2Duccw6h
— Oliver Darko (@oliver_drk) October 13, 2026
海賊行為が一部のマニアの領域を飛び出し、一般層へ拡散しかけた瞬間、プラットフォーマーの動きは素早かった。ソニーはファームウェア14.00から最新の14.10へと立て続けにセキュリティパッチを投入し、抜け道を完全に塞ぎにかかっている。
この防衛戦は、ハードメーカー単独の問題にとどまらない。サードパーティにとっても死活問題だ。発売を控える超大作「GTA 6」が最新ファームウェアを必須要件に据えるといった観測が出るのも、プラットフォームの健全性に巨額の投資回収がかかっているからに他ならない。
ツールが一つ消えたところで、脆弱性を突く者と塞ぐ者によるいたちごっこが終わるわけではない。ただ、表舞台へ手を伸ばそうとした海賊版ストアを容赦なく叩き潰した今回の動きは、自社のエコシステムとパブリッシャーの利益を死守するというソニーの強い意志を明確に物語っている

