任天堂が公開したSwitch 2改訂版の公式ガイド。最大のトピックは、ユーザー自身によるバッテリー交換の劇的な簡略化だ。長年モバイル機を悩ませてきた「バッテリー寿命=本体の寿命」という図式が、ここで大きく変わる。
Amazon等で499ドルで展開されるこの新モデルは、特別な工具や専門知識を一切要求しない。必要なのは一般的なプラスドライバーと、後日部品キットとして提供される交換用バッテリー「BEE-003(-01)」のみ。
本体の分解手順は驚くほどシンプルに整理されている。左右、下部、背面に各2本、上部に1本。計9本のネジを外すだけで背面カバーが外れる構造を採用した。
秀逸なのは内部の機構設計。断線リスクの高いケーブル接続を廃止し、金属接点による直接接続へと切り替えている。新しいバッテリーは物理的に逆向きに入らない形状となっており、なによりスマートフォンのような強力な接着剤による固定を完全撤廃。無理な剥がし作業による本体損傷のリスクを根底から排除している。
組み戻す際、上部ボタンやマイクの位置ズレ、マグネットへのネジ付着に注意を促す公式アナウンスの丁寧さからも、DIY前提のハードウェアであることがうかがえる。
しかし、ここで一つの疑問が浮かぶ。この手軽なセルフ修理は、日本国内でも大々的に推奨されるのか。
この劇的な構造変化の背景にあるのは、環境負荷軽減を掲げ、ユーザーによる電池交換を義務付けるEUの新しいバッテリー規制。この厳格なルールをクリアするため、任天堂はハードウェアの基本設計そのものを見直した。
製造コストやサプライチェーンの観点から、EU向けと日本向けで本体の内部構造を変えることは現実的ではない。つまり、日本市場に流通する端末も物理的には全く同じ「交換容易な構造」となる。
ただ、日本国内における任天堂の公式アナウンスには温度差が生じるはずだ。
日本では電気用品安全法(PSE)の枠組みや、メーカーによる手厚い公式サポートの歴史がある。建前上はこれまで通り「安全と製品保証のため、公式の修理サポート窓口の利用を推奨する」というスタンスが維持される公算が大きい。
EUでは「修理する権利」が強く主張される一方、国内では自己責任によるトラブルを避けるため、積極的なセルフ修理の推奨は控えられ、あくまでユーザー側の選択肢の一つという扱いに留まるだろう。
とはいえ、接着剤を使わない完全モジュール化は、公式サポート側の分解プロセスも劇的に効率化する。修理期間の短縮やバッテリー交換工賃の引き下げなど、自分で本体を開けない日本のユーザーにとっても恩恵は計り知れない。
消耗品であるバッテリーの呪縛から解放された新モデル。外圧から生まれた設計変更だが、ハードウェアの製品寿命を飛躍的に延ばす、プレイヤーにとって近年稀に見る大改良だ。
Source:任天堂

