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薄型化と排熱性能のトレードオフを、アップルは執念のエンジニアリングで覆してきた。
同社初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」は、歴代最薄のボディを実現しながら、高負荷時のグラフィックス性能を劇的に引き上げるという離れ業をやってのけている。折りたたみ端末が長年抱えてきた「薄型化すれば熱で性能が落ちる」というジレンマに、真っ向から終止符を打つ決定打だ。
SoCには、iPhone 18 Proと共通の2nmプロセスチップ「Apple A20 Pro」が鎮座する。チップの基礎体力は同等ながら、Duo用には2枚の画面を同時に駆動するための専用ディスプレイエンジンを追加。画面下に姿を消したインカメラ技術とあわせ、先進的なマルチタスクを滑らかに成立させている。
だが、ハードウェア関係者が最も息を呑むのは、目に見えない冷却機構の凄まじさだ。
アップルは今回、チップの上にメモリを重ねる従来の構造を捨て、メモリをSoCの横に並べる新パッケージングを採用した。マザーボード上のスペースを犠牲にしてでも、熱源を横に広げて効率的に逃がすアプローチへ舵を切っている。
発生した熱を処理する受け皿も桁外れだ。熱伝達を高める新素材「メタルオーバーフォーム」を組み込み、熱を運ぶベイパーチャンバーはiPhone 17 Pro比で3倍の容積へと拡大。さらに背面パネルには放熱性に優れる銅合金を採用し、熱を面で素早く拡散させる。

極めつけは、可動部であるヒンジを貫く柔軟なグラファイトパイプの存在だ。ヒンジを介して左右の筐体を熱的に結合させることで、基板のない側のボディまで巨大なヒートシンクとして使い倒す。可動部を熱のバイパスに変える力技によって、極薄筐体でありながら持続負荷時のGPU性能はiPhone 17 Pro比で35%もの向上を記録した。
これまでサムスンのGalaxy Z FoldシリーズやGoogleのPixel Foldなど、先行勢が頭を悩ませてきた最大の課題は、ヒンジを境にした熱の断絶だった。チップが配置された片側だけに熱がこもり、サーマルスロットリングによるパフォーマンス低下を余儀なくされてきた経緯がある。ヒンジ越しに熱を逃がすDuoの手法は、折りたたみスマホの物理的制約を一段階突破したと言っていい。
薄さを極めながら、持続的なハイパフォーマンスでも妥協しない。iPhone Duoが見せつけた妥協なき熱設計の思想は、停滞しつつあった折りたたみ市場全体のハードウェア基準を根底から書き換える可能性を秘めている。後発だからこそ成し得た、アップル流の強烈な解答だ。
Source:PCMag

