通知の嵐に追われるスマートフォンから音楽鑑賞を切り離す。そんなデジタルデトックスの機運が高まるなか、低価格Hi-Fi機器で知られるFosi Audioが投じた一手は、かつてのiPodを彷彿とさせる純粋な音楽専用機だった。
発表された「DAP Neo Modern Classic MP3プレーヤー」は、メーカー直販サイトで79.99ドル(送料無料)という手頃な価格設定ながら、プラスチック玩具とは一線を画す質感を備える。
筐体には堅牢な金属フレームとガラス製バックパネルを採用。本体サイズは97×47×10.6ミリ、重さはわずか75グラムに抑えられた。大型化の一途をたどる現代のスマートフォンと比べれば圧倒的に小さく、手のひらにすっぽりと収まるサイズ感だ。
前面でひときわ目を引くのが、かつてのiPod Nanoを思わせる円形の回転ホイール。2.4インチ(320×240ピクセル)の画面に並ぶリストを、指先で素早くスクロールしていくフィジカルな操作感は、タッチパネル全盛の今だからこそ新鮮に映る。

割り切りの鋭さも際立つ。Wi-Fi機能やストリーミング配信には非対応。Bluetoothこそ搭載するものの、対応コーデックは標準的なSBCのみにとどまる。ワイヤレスを本気で鳴らす設計ではない。
その代わり、有線リスニングへの注力ぶりは本物だ。本体には3.5ミリのヘッドホンジャックをしっかり搭載。内蔵ヘッドホンアンプは129mWの出力パワーを誇り、鳴らしにくい有線イヤホンでも力強く駆動する。音源はmicroSDカード経由で最大256GBまで対応し、標準的なMP3はもちろん、FLAC、WAV、APE、M4A、さらにはDSDといったハイレゾフォーマットまで幅広く再生できる。
近年のポータブルオーディオ市場は、Androidを搭載して数万円から十数万円に達するハイエンドDAPと、数千円で買える極端にチープな製品へと二極化が進んでいた。日常使いできる価格帯で、所有欲を満たす金属ボディと高出力なアンプを兼ね備えた選択肢は、思いのほか空白地帯だったと言える。
Source:Fosi Audio

