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VRヘッドセット最大の弱点であるバッテリー駆動時間に、Valveがソフトウェアの力でメスを入れた。提供が始まった「Steam Frame」向けの最新ベータ版「SteamOS 0.4.3」は、電力効率の最適化によってバッテリー持続時間を最大12%向上させる。ローカルプレイのみならず、需要の高いPCストリーミング環境でも稼働時間が延びる点は、ヘビーユーザーにとって見逃せない進化だ。
今回のアップデートがもたらす恩恵は、単なる数値以上の重みを持つ。スタンドアローン型VRデバイスにおいて、バッテリー容量の拡大はそのまま本体重量の増加と装着感の悪化に直結する。ハードウェアの設計を変えずにソフト制御の効率化だけで二桁%近い駆動時間の延長を引き出した点は、競合のMeta Questシリーズに対する確かなアドバンテージになり得る。もちろん、実際の伸び幅はプレイするタイトルやフレームレート設定に左右されるものの、あと数十分の粘りが欲しいワイヤレスVR体験において、この差は決して小さくない。
機能面でも着実なブラッシュアップが進む。VR詳細設定には「利き目のみ追跡」という視線トラッキングの新たなアクセシビリティが追加された。両目追跡による処理負荷を抑えつつ、ユーザー個々の見え方に寄り添う実用的な選択肢だ。さらに、Google Earth VRやThumperで発生していたコントローラーのキーバインド不具合、各種ハンドルのフォーカス挙動といった操作まわりの細かな違和感も解消。接続時にユーザーを悩ませていた「エラー17」への対策など、ワイヤレスストリーミングの安定性向上にも抜かりがない。なお、この通信改善の恩恵をフルに受けるには、PC側でSteamVR 2.18.2以降の導入が必要となる。
現在はベータチャンネルでのテスト段階だが、ユーザーからのフィードバックを経て早期の安定版配信が期待される。ハードの限界をソフトの熟成で押し広げるアプローチは、かつてSteam Deckで見せた同社の真骨頂そのもの。ワイヤレスVRの快適性をどこまで高められるか、正式版の仕上がりに注目したい。
Source:Steam


