待望のベールを脱いだApple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」。だが、その熱狂に冷や水を浴びせる最大の欠点が浮き彫りになりつつある。
海外メディアの先行レビューで次々と指摘されているのが、Face ID廃止に伴うTouch IDへの回帰に対する不満の声。未来を体現するはずの革新的デバイスが、日常の使い勝手において数世代前の体験へ後退しているという皮肉な事態だ。
側面の電源ボタンに統合されたTouch ID。無印のiPadなどでお馴染みのアプローチながら、iPhone Duoにおいては想定以上のフラストレーションを生んでいる模様。著名レビュアーのマーカス・ブラウンリーが指摘したのは、ロック解除時の意図的なタイムラグ。指を置いても即座にホーム画面には遷移せず、通知を見せるために一度ロック画面に留まる仕様となっている。ここからさらに画面に触れる追加アクションが必要になる。
顔認証のシームレスな体験に慣れきったユーザーにとって、このワンテンポの遅れは大きなストレス。米有力紙の記者すら、1週間使っても操作ミスを連発したとこぼすほど。濡れた指や手袋での操作不可、不意の誤作動など、物理センサーならではの弱点も痛い。一部メディアから擁護する声も上がっているが、画面を見つめるだけでApple Payの決済が完了するFace IDの魔法と比べれば、体験の質は明らかに落ちている。
妥協の背景には、複雑なヒンジ機構や極限の薄さを追求する設計上の制約が絡んでいる。現状の回避策としてApple Watchによる自動ロック解除があるものの、高価なiPhone単体で完結しない仕様を正当化するのは厳しい。
今後のソフトウェア更新で、指を置いた瞬間にホーム画面へ直行するオプションが追加される余地はある。それで操作の手間はいくらか省けるはず。ただ、Appleが何年もかけて意識させない認証へと育て上げたFace IDを、最もプレミアムな端末で手放さざるを得なかった事実。次世代機でのFace ID復活か画面内認証が実現するまで、iPhone Duoは熱心なファンの我慢強さを試すデバイスとなりそうだ。

