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PCのメモリ増設や新規導入を考えているなら、悠長に値下がりを待つ余裕はなさそうだ。2027年に向けてPC向けDRAMの供給は一段と細り、店頭価格の急騰と深刻な品薄が現実味を帯びている。生成AIブームの余波が、ついに一般のPCユーザーの足元を直撃し始めた。
背景にあるのは、半導体メーカー各社による極端なAIシフトだ。サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンのメモリ大手3社は、利益率が高く引き合いの強いデータセンター向け製品へと生産能力を総動員している。
なかでも状況を厳しくしているのが、AIアクセラレータに不可欠なHBM(広帯域幅メモリ)の存在だ。HBMは通常のDDRメモリに比べて製造時に消費するウエハーの面積が格段に広く、工場の製造ラインを同じだけ動かしても、完成する標準DRAMの絶対量は物理的に削られてしまう。
さらに、サーバー用のDDR5やAI対応ノートPC向けのLPDDRまでが同じパイを取り合う過密状態が続く。マイクロンが供給総量を25%引き上げたと公表しても価格が下がる気配がないのは、それを上回る規模でAIインフラがメモリを飲み込み続けているからにほかならない。
ここに、調達力による残酷な格差が重なる。大手PCメーカーは数年単位の長期契約を結び、すでにサムスンのPC向け生産枠の7割以上を押さえている。影響を真っ向から受けるのは、余ったわずかな供給枠を取り合う小規模ビルダーや、単体パーツを購入する自作PCユーザーだ。リテール市場に回るモジュールは真っ先に弾かれ、店頭から手頃な価格帯の選択肢が姿を消していく。
調査会社各社の見通し通り、2026年終盤にかけてメモリ価格はすでに15〜20%前後の上昇カーブを描き始めた。だが、本格的な工場の新設や設備拡張による供給改善が期待できるのは2029年以降。つまり、2027年から2028年にかけてが供給の谷間となり、最も厳しい局面を迎える。
価格高騰を嫌って購入を先送りする動きも、事態を悪化させる一因になりかねない。更新を控えた需要は消えるわけではなく、将来の市場へそのまま積み残されるからだ。需要が膨らんだまま供給難のピークへ突入すれば、買い替えのハードルはさらに跳ね上がる。マシンの延命や新調を視野に入れているなら、店頭に在庫と選択肢が残っているうちに手を打つのが賢明な判断と言える。
Source:TrendForce

