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Nothingが仕掛ける次の一手は、視覚的な楽しさと厳しい市場原理の板挟みになりそうだ。新ミッドレンジスマートフォン「Nothing Phone (4a)」および廉価版ヘッドホンのティーザー画像が公開され、従来のモノトーン路線を打破する多色展開が確実視されている。
ただし、その華やかな外見の裏には、DRAM価格高騰に伴う端末価格の上昇という、避けがたい懸念材料も見え隠れしている。
公開された画像は雄弁だ。白、黒、ピンク、黄、青のドットで構成された「(a)」の文字。これまでのNothing Phone (3a)が基本色を白と黒に絞り、Proモデルでようやく青を追加した経緯を踏まえると、この一気なカラフル化は戦略の大きな転換点と言える。
特に「Nothing Headphone (a)」は4色、スマホ本体であるPhone (4a)は青を含めた5色展開と予測され、若年層やガジェットにファッション性を求める層へのアプローチを強烈に意識しているのは間違いない。

3月の投入が有力視される中、ハードウェアの基礎体力も着実に底上げされている。Snapdragon 7sシリーズのプロセッサ採用に加え、標準で12GBのRAMと256GBのストレージという構成は、もはや「廉価版」と呼ぶにはリッチすぎるスペックだ。さらにIP等級の向上による耐水性強化も、日常使いの道具として実用面で嬉しい進化である。
しかし、ここで立ちはだかるのがDRAM市場の危機的状況だ。最大30%の値上げという予測が現実となれば、かつてNothingが武器としていた「圧倒的なコストパフォーマンス」は薄れざるを得ない。デザインの刷新とスペックの向上だけで、高騰した価格をユーザーに納得させられるか。今回のモデルは、Nothingというブランドの真価が問われることになる。
同時展開となる「Nothing Headphone (a)」の存在も重要だ。上位機Headphone (1)の弟分として、ANC(アクティブノイズキャンセリング)やLDAC対応など、サブブランド「CMF」で培ったコスパ技術をNothing本家に取り込む狙いだろう。スマホとオーディオ、デザイン言語を統一したエコシステム全体での囲い込みを狙う意図が透けて見える。
遊び心あふれる5色のカラーパレットと、シビアな価格設定。Nothing Phone (4a)は、ブランドの求心力が試される重要な試金石となる。単なる「おしゃれなスマホ」で終わるか、価格上昇を跳ね返すだけの独自体験を提供できるか。3月の正式発表、そのプライスタグに市場の審判が下される。
Soon. pic.twitter.com/fpbw7ySU9N
— Nothing (@nothing) February 9, 2026

