スマホカメラが一眼レフを超える日は来るのか。そんな議論も、今や「いつ、どの機種が達成するか」という段階に移っています。その筆頭候補であるXiaomi 17 Ultraが、ついにその姿を現しました。
中国での正式発表を目前に控え、実機写真がネット上を駆け巡っています。
しかし、同時に私たちの心をざわつかせる情報も飛び込んできました。Xiaomiのトップ、雷軍CEOが明言した「先代以上の価格設定」という現実。物価高や円安の波に揉まれる私たちにとって、この値上げは単なるコストアップなのか、それとも対価に見合う進化なのか…
Source:Finance Sina
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伝統の継承と、あえて「引き算」を選んだカメラデザイン
公開された実機写真を見て、まず驚いたのはその潔さです。Xiaomi 12S Ultraから続く、巨大な円形カメラユニットを背負った独特のシルエット。それはもはやスマートフォンというより、レンズに通信機能がついた「カメラそのもの」の威厳を放っています。
興味深いのは、カメラの個数が先代より減っているという点です。巷ではスペック競争が激化し、レンズを並べれば並べるほど良いとされる風潮がありますが、17 Ultraはあえてそこから逆行しました。
デュアルズームを廃止し、一つひとつのレンズを大型化させるという選択。これは、料理で言えば「品数を減らして、一品あたりの素材を最高級にする」ような贅沢な決断です。
レンズの数が減ったことでカメラハウジングがわずかに小型化し、デザインとしてのまとまりが良くなったのは、多くのユーザーにとって嬉しい裏切りになるでしょう。


完全にフラットなディスプレイが解決する、長年のストレス
これまでのフラッグシップ機といえば、画面の両端が湾曲したエッジディスプレイが定番でした。見た目は美しいものの、保護フィルムが剥がれやすかったり、端の操作がしにくかったりと、実用面では不満の声も多かったのが事実です。
今回のXiaomi 17 Ultraは、ついに「完全フラットディスプレイ」へと舵を切りました。エッジをわずかに丸めることで持ちやすさを確保しつつ、表示領域は平面的にする。
これは、華やかさよりも「使い勝手の良さ」を求めるユーザーの不安に寄り添った、極めて現実的なアップデートです。
反射で画面の端が見えにくい、ペン入力が滑る、といった細かなストレスから解放される喜びは、実際に手にした瞬間に「ああ、これで良かったんだ」という確信に変わることでしょう。
値上げという壁をどう乗り越えるか。投資としてのスマホ選び
多くのファンにとって最大の懸念は、やはり価格です。雷軍氏がわざわざ値上げを予告した背景には、それだけ原価のかかるモンスター級のパーツを詰め込んだという自負があるのでしょう。
「スマホにこれ以上のお金を払う価値があるのか?」という問い。その答えは、この一台があなたの「記録」をどう変えるかにあります。
子供の成長、二度と戻らない旅の景色、仕事での重要な瞬間。それらを、これまでのスマホとは一線を画す「空気感」まで写し込むレンズで残せるとしたら。
安価なミッドレンジ機を2年で買い替えるよりも、最高峰の性能を持つ一台を大切に使い倒す。そんな「タイパ」と「クオリティ」を両立させる選択肢として、17 Ultraは非常に説得力のある存在です。
高価であることは、それ自体が「裏切らない性能」の証明でもあるのです…たぶん。

