「次世代ゲーム機戦争、ついに最終形態か?」
「コンソール(家庭用ゲーム機)の時代は終わる?」
「いや、むしろコンソールがPCを飲み込むのかもしれない…」
ここ最近、ゲームコミュニティを震撼させている一つの「噂」があります。それは、マイクロソフトが開発中とされる次期Xboxが、Windowsで動作する「ゲーミングPC」になるというものです。
今月初め、このニュースが流れ始めた時、多くのゲーマーは「またいつもの憶測だろう」と半信半疑だったかもしれません。しかし今、その噂は「ほぼ現実」として、確かな輪郭を帯び始めています。
もしこれが本当なら、私たちが知る「Xbox」という存在は根本から変わってしまいます。それは一体、私たちゲーマーにとって「福音」なのでしょうか、それとも「混乱」の始まりなのでしょうか?
Source:Windows Central
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「ほぼPC化」への序章:ASUS ROG Allyが示した道筋
なぜ今、次期Xboxの「PC化」がこれほど現実味を帯びて語られているのでしょうか。その背景には、すでに市場に存在する「ある製品」の成功と課題があります。
そう、ASUSが発売した携帯型ゲーミングPC「ROG Xbox Ally X」と「ROG Xbox Ally」です。

これらのデバイスは、中身は「Windows 11搭載の小型PC」でありながら、「Xbox Fullscreen Experience」と呼ばれる特別なユーザーインターフェース(UI)を搭載しています。これは、起動するとまるでXboxのダッシュボードのような画面が現れ、PCであることを意識させずにゲームにアクセスできるというものです。
従来の携帯型ゲーミングPC(Windows機)が抱えていた最大の不満点、それは「PC感が強すぎること」でした。ゲームを始める前にWindowsのデスクトップと格闘し、アップデートのために何度も設定画面を開く…。そんな煩わしさから、多くのユーザーは「手軽さに欠ける」と感じていました。
ROG Allyの試みは、この問題を解決し、「PCの自由度」と「コンソールの手軽さ」を両立させようとするものでした。そしてマイクロソフトは、この流れを次世代の据え置き型コンソールにも持ち込もうとしているのです。

最大の進化点:「UIから一歩も出なくていい」という究極の快適さ
「なるほど、じゃあ次期XboxはROG Allyの据え置き版みたいなもの?」
そう思った方もいるかもしれませんが、話はそう単純ではありません。次期Xboxは、ROG Allyが抱えていた「ある決定的な不満点」を、根本から解決してくる可能性が高いのです。
Windows Centralが報じた内容で最も注目すべきは、以下の点です。
ROG Xbox Ally Xでは、アップデートを行う場合、すべてWindows側から行う必要があります。 次期コンソールではこの問題は発生しないと言われています。
これこそが、次期Xboxが「ゲーミングPC」でありながら「完璧なコンソール」でもあると言われる所以です。
ROG Allyでは、ゲームのインストールやシステムアップデートの際、結局はコンソール風UIを離れ、Windowsのデスクトップ画面に戻って操作する必要がありました。これがユーザー体験を著しく損ねていたのです。
しかし、次期Xboxでは、電源を入れてからゲームを起動し、途中でシステムアップデートがあろうと、新しいゲームをインストールしようと、その全てが「コンソール風UI」の中で完結するとされています。
つまり、あなたが「PC」として使いたいと思わない限り、Windowsのデスクトップ画面を一度も見ることなく、従来のXboxとまったく同じ、あるいはそれ以上にシームレスな体験が続くのです。これは、コンソールファンにとってこれ以上ない朗報と言えるでしょう。

「二刀流」の真価!Steamも動く最強のゲームマシン爆誕か
では、「PCとして使いたい」場合はどうなるのでしょうか? そこも抜かりはありません。
ゲーマーは、必要に応じてそのコンソールUIを離れ、自由に「Windowsレイアウト(PCモード)」に移行できるオプションが提供されるとのこと。
これが何を意味するか、もうお分かりですね? Xbox Game Passのタイトルはもちろんのこと、Steam、Ubisoft Connect、Epic Games Storeなど、他のクライアントで実行されるあらゆるWindowsゲームをプレイできる可能性が極めて高いのです。
- コンソールファンは… これまで通りの手軽なUIで、Xboxのゲームを心ゆくまで楽しめる。
- PCゲーマーは… PCモードに切り替え、Steamの膨大なライブラリや、MOD(改造データ)の導入など、PCならではの自由度を享受できる。
一台のマシンが、二つの顔を持つ。まさに「コンソールの手軽さ」と「PCの万能性」を兼ね備えた、究極のゲームマシンが誕生するかもしれないのです。

サラ・ボンド氏が語る「プレミアム体験」の価格
ここまで聞くと夢のような話ですが、最後に現実的な問題が残っています。そう、「価格」です。
これだけの機能と自由度を持つマシンが、従来のコンソールと同じ価格帯で提供されるとは到底思えません。
その懸念を裏付けるように、Xbox社長のサラ・ボンド氏は、次世代Xboxについて「非常にプレミアムで、非常にハイエンドで、厳選された体験」を提供すると公言しています。
この「プレミアム」「ハイエンド」という言葉が示すのは、間違いなく価格帯でしょう。 中身がハイスペックなゲーミングPCであり、それに加えてシームレスな専用UIを開発・維持するコストがかかるのですから、価格が上昇するのは必然とも言えます。
一部のファンが期待するような「手頃な価格」ではなく、ハイエンドなゲーミングPCに匹敵する、あるいはそれを超えるような価格設定になる可能性も覚悟しておく必要がありそうです。


