【Pixel 11考察】バッテリー問題、ついに終止符か?MediaTek製 Tensor G6の「脱サムスン」がもたらす効果とは?

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歴代のGoogle Pixelユーザーであれば、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。「カメラは最高。AI機能も唯一無二。でも、なぜバッテリーだけが…」。その長年の課題に、ついに終焉の光が見えてきたかもしれません。

次期フラッグシップモデル「Google Pixel 11」に搭載される見込みの新型チップ「Tensor G6」。この心臓部に、これまで依存してきたSamsung製ではなく、台湾の雄・MediaTek製の最新モデムが採用されるという、極めて重要なリーク情報が舞い込んできました。

これは単なる部品変更のニュースではありません。Googleが推し進める「自社チップ戦略」の大きな転換点であり、Pixelシリーズが抱える根本的な課題を解決へと導く、まさに”ゲームチェンジャー”となる可能性を秘めています。

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■ Googleの大きな賭け!Tensor G6で進む「完全なる独立」への道

Googleが自社設計チップ「Tensor」をPixel 6で初めて世に送り出してから、その開発の裏には常に韓国の巨人・Samsungの存在がありました。製造を担うパートナーとして、Tensorチップの根幹を支えてきたのです。

しかし、その蜜月関係は徐々に変化を見せ始めます。2024年発売のPixel 10に搭載される「Tensor G5」では、製造委託先をSamsungから、プロセッサ製造の世界的リーダーである台湾のTSMCへ移行するという大きな決断が下されました。これは、パフォーマンスと電力効率の向上を目指した、いわば「第一段階の独立」でした。

それでもなお、スマートフォン体験の根幹をなす「通信」を司るモデムチップは、SamsungのExynosテクノロジーに依存したままでした。モデムは、安定したデータ通信はもちろん、スマートフォンの電力消費に極めて大きな影響を与える重要部品です。一部のユーザーから指摘されていた「バッテリー持ちの悪さ」や「発熱」の一因が、このモデムにあるのではないか、という声も少なくありませんでした。

そして今回、ついにその最後のピースが埋まろうとしています。テレグラムのリーク情報によれば、Pixel 11に搭載される「Tensor G6」(コードネーム:Malibu)では、このSamsung製モデムを完全に廃し、MediaTek社の最新鋭モデム「M90」が採用されるというのです。これは、Googleがチップ設計において、名実ともにSamsungからの「完全なる独立」を果たし、自らの理想とするスマートフォンを追求するための、最終段階への移行を意味します。

■ なぜMediaTekなのか?噂の「M90モデム」がPixel 11を変える3つの理由

では、なぜGoogleはSamsungではなくMediaTekを選んだのでしょうか。その答えは、今年発表された「MediaTek M90」モデムが持つ、圧倒的なスペックに隠されています。

  1. 圧倒的な「効率性」:バッテリー問題への直接的解答
    MediaTekの公式発表によれば、M90モデムは内蔵されたAIモデルを駆使し、通信状況に応じて電力消費を最適化します。これにより、競合製品と比較して平均で最大18%もの消費電力削減を実現すると謳われています。スマートフォンにおいて、ディスプレイと並んで最も電力を消費するのがモデムです。この部分の効率が劇的に改善されれば、Pixel 11シリーズ全体のバッテリー駆動時間が飛躍的に向上することは想像に難くありません。まさに、ユーザーが最も待ち望んでいた改善点と言えるでしょう。
  2. 未来を見据えた「通信速度」と「先進機能」
    M90モデムは、理論値で最大12Gbpsという驚異的なダウンリンク速度を誇ります。これは、高画質な動画ストリーミングや大容量データのダウンロードを、これまで以上に快適にすることを意味します。さらに、緊急時に役立つ衛星接続機能や、2枚の5G SIMを同時に待ち受けできるデュアル5G SIMデュアルアクティブといった先進機能にも対応。これにより、Pixel 11は単にバッテリーが持つだけでなく、未来の通信環境にも対応できる、長期的に使える一台となる可能性を秘めています。
  3. TSMCとの連携が生む「相乗効果」
    前述の通り、Tensor G5以降のプロセッサはTSMCが製造を担当します。MediaTekもまた、長年にわたりTSMCと強固なパートナーシップを築いてきました。同じ製造プロセスを熟知する企業同士が手掛けるプロセッサとモデムは、最適化の面で大きなアドバンテージを持ちます。この連携により、チップセット全体としての一体感が高まり、さらなるパフォーマンス向上と省電力化という相乗効果が期待できるのです。

■ 期待と不安:Tensor G5の教訓とG6への展望

もちろん、期待ばかりではありません。原文でも触れられているように、TSMCへの移行で大きな期待が寄せられた「Tensor G5」が、必ずしもその期待に100%応えられたわけではない、という声もあります。新しい技術の導入には、常に産みの苦しみが伴います。

Googleが、プロセッサの製造元とモデムの供給元を同時に変更するという大きな挑戦を、果たして成功させられるのか。ソフトウェアとハードウェアを完璧に統合し、Pixelファンが長年夢見てきた「最高のカメラとAI、そして最高のバッテリー性能を兼ね備えたスマートフォン」を、Tensor G6でついに実現できるのか。その真価が問われることになります。

まとめ

今回の「Tensor G6におけるMediaTek製モデム採用」のリークは、単なるスペックシート上の一行ではありません。それは、GoogleがPixelという製品を通して、ユーザー体験を根本から見直そうとしている強い意志の表れだと感じます。

これまでPixelは、革新的なAI機能やコンピュテーショナルフォトグラフィーで、スマートフォンの新たな可能性を切り拓いてきました。しかしその一方で、バッテリー性能という、スマートフォンの「基礎体力」とも言える部分で、常にライバルに一歩及ばないという評価がつきまとっていたのも事実です。

もしこのリークが現実のものとなれば、Pixel 11は、その最後の弱点を克服する歴史的なモデルとなるかもしれません。長年の課題であった「燃費の悪さ」を解消し、その有り余る頭脳(AI性能)を一日中、安心してフル活用できる。そんな、誰もが待ち望んだ理想のPixelが、いよいよ私たちの手の届くところに来るのかもしれない。

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