「もう携帯ゲーム機の進化は頭打ちだろう」
なんて、つい先日まで思っていませんでしたか?正直に言うと、私はそう思っていました。しかし、その予測は心地よく裏切られそうです。
ポータブルゲーミングPC(UMPC)界隈のトップランナーであるAyaneoが、またしても常識を覆すデバイスを世に送り出そうとしています。その名は「Ayaneo Next II」。
11/28/2025 11:30 PM PST
— AYANEO (@AYANEO__) November 28, 2025
AYANEO NEXT II sharing session is about to begin
A new flagship Windows handheld built for the future
9" OLED native landscape display
2400 × 1504 resolution with 165Hz high refresh rate
Powered by AMD Ryzen™ AI Max+ 395 for discrete-level performance 🔥 pic.twitter.com/MHDDqshq93
11月29日のイベントで詳細が明かされるこの最新機種ですが、事前にリークされた情報だけで、すでにガジェット好きの間では「これはエンドゲーム(上がりの一台)になるかもしれない」と囁かれています。RedMagic Astraでお馴染みのあのディスプレイに、AMD最強の心臓部。
今回は、発表直前のAyaneo Next IIがなぜこれほどまでに注目されているのか、そのスペックの秘密と、私たちがこのデバイスに期待すべき「変化」について詳しく解説していきます。
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Ayaneo Next IIとは?RedMagic Astraと同じ「画面」がもたらす衝撃
まず、この機種の最大のトピックと言えるのがディスプレイです。
ゲーミングハンドヘルドにおいて、画面は単なる表示装置ではありません。それは体験そのものです。Ayaneo Next IIには、9インチのOLED(有機EL)ディスプレイが搭載されることが判明しています。しかも、ただのOLEDではありません。リフレッシュレートは驚異の165Hz。

ヌルヌルの描画体験が手元に
「165Hzなんて、小さな画面で分かるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、今年初めに登場したRedMagic Astraを触ったことがある人なら、その違いが劇的であることを知っているはずです。
今回のリーク情報によると、Ayaneo Next IIはRedMagic Astraに搭載されているものと全く同じ、2,400 x 1,504ピクセルのネイティブ横長パネルを採用している可能性が高いです。これが何を意味するかというと、従来のUMPCでありがちだった「縦画面パネルをソフト側で無理やり横に表示する」ことによるティアリングや互換性の不具合が、ハードウェアレベルで解消されているということです。
なにより、あの鮮烈な発色と、指に吸い付くような応答速度がAyaneoの筐体で実現される。これだけで、ご飯3杯はいけるニュースではないでしょうか。
AMD Strix Halo搭載!スペックのメリットと「最強」の理由
次に注目すべきは、中身です。ここが「ただの画面が綺麗なゲーム機」で終わらない理由です。

Ryzen AI Max+ 395という怪物
Ayaneo Next IIには、AMDの最新アーキテクチャ「Strix Halo」が採用されます。具体的には「Ryzen AI Max+ 395」という、名前からしていかにも強そうなAPU(CPUとGPUが統合されたチップ)が搭載される見込みです。
これは、GPD Win 5やOneXFly Apexといったライバル機にも採用されているチップセットですが、Pro版と並んで現時点で最も強力な部類に入ります。つまり、これまで「設定を下げないと動かない」と諦めていたAAA級タイトルが、手のひらサイズのマシンで、しかも高画質で動く可能性を示唆しています。
もちろん、コストを抑えた「Ryzen AI Max 385」搭載モデルも用意されるかもしれませんが、ハイエンドモデルに関しては、デスクトップPCに肉薄するパフォーマンスを期待して良いでしょう。
デカすぎず、小さすぎない「9インチ」の正解
携帯ゲーム機を選ぶ際、多くの人が悩むのが「サイズと重量」の問題です。
Ayaneo Next IIは9インチディスプレイを採用しています。これは、既存のAyaneo KunやOneXFly Apexよりも大きく、しかし10.95インチの超大型機であるAbxylute 3D OneやOneXPlayer X1シリーズよりは小さいという、絶妙な立ち位置です。

持ち運びやすさと没入感のバランス
- 7インチクラス: 持ち運びは最高だが、テキストが読みづらいゲームもある。
- 11インチクラス: 迫力は凄いが、もはや「持ち運べるデスクトップ」で重すぎる。
- 9インチ(Ayaneo Next II): カバンには入るが、没入感はタブレット並み。
この「9インチ」というサイズは、家の中でソファに寝転がって遊ぶ際にも、出先のカフェで少し遊ぶ際にも、どちらも犠牲にしないギリギリのラインを攻めているように感じます。画面が大きくなることで、UIの視認性が向上し、細かい文字を読むRPGやストラテジーゲームの快適さが劇的に改善されるはずです。
価格と発売日は?今わかっていることのまとめ
現時点では、Ayaneoからの公式な価格発表や正確な発売日はアナウンスされていません。11月29日のイベントですべてが明らかになるでしょう。
ただ、RedMagic Astraと同等のディスプレイに、最新のStrix Haloを積んでいることを考えると、決して「安い」デバイスにはならないでしょう。しかし、複数のデバイス(タブレット、ノートPC、ゲーム機)をこれ一台に集約できると考えれば、その投資価値は十分にあると言えます。
ハンドヘルドは「所有する喜び」のフェーズへ
今回のAyaneo Next IIの情報を見ていて感じるのは、UMPCというカテゴリが「動けばいい」という実験的な段階を終え、「どれだけ上質な体験ができるか」というフェーズに完全に移行したということです。
以前は、外でPCゲームが動くというだけで感動していました。しかし今は、165HzのOLEDや、デスクトップ級の処理能力が当たり前に求められています。この変化のスピードには目を見張るものがあります。
私たちが手にしようとしているのは、単なるゲーム機ではなく、最新技術の結晶です。「9インチで165Hz」という、かつては想像もしなかったスペックが当たり前になる世界。Ayaneo Next IIは、そんな新しい日常の入り口になるデバイスかもしれません。
果たして価格はいくらになるのか、そして重量はどれくらいに抑えられているのか。明日の正式発表を楽しみに待ちたいと思います。

