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iPhone縛りの象徴だったApple Watchが、ついに他社製スマートフォンの電波を捉えた。ファーウェイが中国向けに配信した新アプリによって、自社端末とApple WatchのBluetooth直接接続を実現させたのだ。通知表示のみという厳しい制限を抱えながらも、アップルが築き上げた強固なエコシステムに風穴を開けた意味は極めて重い。
欧州連合(EU)のデジタル市場法(DMA)は、iPhoneに対してサードパーティ製スマートウォッチとの連携開放を義務付けた。だがその一方で、Apple Watch自体の他社OS対応までは求めていない。結果として、Apple Watchの完成度に魅了されたユーザーほど、他社製スマートフォンへの乗り換えを躊躇する構造が長年固定化していた
ファーウェイはこの参入障壁を、力技とも言えるソフトウェア対応で突破しにかかった。HarmonyOS 7.0向けにアップデートされた「HarmonyOS Interconnect」アプリを使えば、ファーウェイ端末とApple Watchをリンクさせられる。
ただし、現状の実装は抜け道に近い。Apple Watch側にも専用アプリをインストールする必要があるため、初期セットアップには依然としてiPhoneが欠かせない。さらに連携できる機能は着信通知と通話の表示に絞られており、心拍数やアクティビティといったヘルスケアデータの同期は一切不可能だ。端末側からのリモート操作も効かない。
機能面だけを見れば、スマートバンドにすら劣る最小限の通知デバイスに留まる。しかし、この制約だらけの一歩が持つインパクトを侮るべきではない。MateシリーズやPuraシリーズといったファーウェイの最新ハイエンド機へ乗り換えたいユーザーにとって、これまで「乗り換え=Apple Watchの文鎮化」だった選択肢が、「通知専用として腕に残せる」へと変わったからだ。ハードウェア移行の心理的ハードルを確実に一段引き下げている。
もちろん、アップルがこの挙動を今後のwatchOSアップデートで塞ぎにいく可能性は高い。ただ、エコシステムの相互運用性を求める圧力は世界中で強まる一方だ。ファーウェイが放ったこの小さな楔(くさび)が、スマートウォッチ市場の囲い込みを揺るがす契機になるのか。プラットフォームの境界線を巡る攻防は、新たな局面を迎えている。
Source:Huawei

