ワイヤレス充電の出力競争が頭打ちを迎えるなか、最大のボトルネックだった発熱問題にAnkerが真っ向からメスを入れた。
IFA 2026でお披露目された10,000mAhのモバイルバッテリー「Anker MagGo 2 Pro」が、米国をはじめとする主要国で発売された。最大のトピックは、最大25WのQi2給電を行いながら、本体温度を36度以下に保つ冷却機構の搭載だ。
従来のマグネット式ワイヤレス充電器は、高出力化に伴う熱の蓄積が避けられず、給電速度の低下やスマートフォンのバッテリー劣化を引き起こす要因になっていた。この製品は内部に小型ファンと2つの通気口、さらに3層構造のグラフェンシートを組み込むことで、一般的な製品が45度近くまで達するのに対し、約36度という人肌レベルの温度を維持する。熱ダレを起こさず、ピーク出力を安定して供給し続けられる設計だ。


スペック面にも妥協は見当たらない。有線USB-Cポートは単体で最大45W出力に対応し、ノートPCの緊急給電までカバーする。前面にはリアルタイムの出力やバッテリー残量を可視化するスマートディスプレイを備え、接続端末のメーカーを認識して最適な給電制御を行う機能やキックスタンドも盛り込まれた。本体重量は約218グラム、サイズも片手で収まる範囲にまとめられている。
市場に目を向けると、先行するUgreenの液冷式モデル「MagFlow Pro」との直接対決が避けられない。Ugreenが液冷アプローチで99.99ドルという価格設定を打ち出しているのに対し、ファンによる空冷を選んだAnkerは109.99ドル。約10ドルの価格差を、ブランドの信頼性や端末判別といった制御面の付加価値で埋められるかが焦点となる。
マグネット式充電器の戦場は、単なるワット数の誇示から、熱をいかに逃がして実効速度を保つかという熱設計の勝負へ完全に移行した。今後は冷却ギミックを搭載したモデルがハイエンド帯の標準となり、各社による排熱アプローチの差別化が一段と加速していきそうだ。
Source:Anker

