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「コンパクトスマホはバッテリーが持たない」という常識が、過去のものになろうとしています。
Geekbenchに突如として現れたVivoの未発表端末「X300 FE」。そのベンチマークスコアとリークされた仕様からは、ハイエンドチップセットを小型筐体に詰め込みつつ、タブレット並みのバッテリー容量を実現するという、矛盾を克服したモンスターマシンの姿が浮かび上がってきました。
モデル番号「V2537」としてGeekbenchに登録されたこの端末、SoCにはQualcommの最新鋭「Snapdragon 8 Gen 5」が鎮座しています。OnePlus 15Rなどのフラッグシップ機にも採用されるこのSoCは、シングルコアで2,701、マルチコアで8,180という強烈なスコアを叩き出しました。12GBのRAMとAndroid 16の組み合わせにより、重量級の3Dゲームやマルチタスク処理でもたつくことはまずないでしょう。

しかし、真に注目すべきはこの処理能力ではありません。その「中身」と「サイズ」のギャップです。
業界の通例として、FE(Fan Edition)やPro Miniといった名称のモデルは、中国国内版の特定モデルをベースにリブランドされることが多い。前作X200 Pro Miniの流れを汲むならば、今回のX300 FEの正体は、中国ですでに発表されている「Vivo S50 Pro Mini」である可能性が極めて高い。
S50 Pro MiniのスペックシートをX300 FEに重ね合わせると、その特異性が際立ちます。6.31インチという片手操作に最適なLTPO AMOLEDディスプレイの裏側に、6,500mAhもの巨大バッテリーを搭載しているのです。
一般的な6.7インチ級の大型ハイエンド機ですら5,000mAh前後が標準であることを踏まえれば、このエネルギー密度は異常とも言える数値。シリコンカーボンバッテリー技術の進化が、この「小型×大容量」を実現させた要因でしょう。
カメラ構成も妥協がありません。50MPのメインセンサーに加え、このクラスでは省かれがちな50MPのペリスコープ望遠レンズを搭載。8MPの超広角レンズこそコストカットの跡が見えますが、実用性重視の構成には好感が持てます。さらにIP69という、防塵防水の最高等級までサポートしている点も見逃せません。
BIS(インド)、EEC(欧州)、IMDA(シンガポール)といった各国の認証機関をすでに通過していることから、グローバル展開の準備は万端と見て間違いありません。
Vivo X300 FEは、単なる廉価版(FE)ではありません。Snapdragon 8 Gen 5のパワーと、数日持つであろうバッテリーライフを6.3インチの掌サイズに凝縮した、2026年後半の台風の目となる一台です。あとは、中国版で約535ドル(約8万円台)という戦略的な価格設定が、グローバル市場でどこまで維持されるか。正式発表が待たれます。
Source:Geekbench

