CASIO A1100が示す逆行の価値 通知を捨てた大人が選ぶフルメタル

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スマホの通知に追われる生活へのアンチテーゼとして、カシオのA1100が静かな支持を広げている。2025年3月7日には待望のプレミアムカラーとしてグレーとイエローゴールドの2色が加わり、単なる復刻版の枠を超えた存在感を放ち始めた。

1970年代後半、デジタル時計がまだ未来の象徴だった時代に生まれた52QS。そのDNAを継承する本作は、4つのフロントボタンが並ぶ異形のルックスが最大の特徴だ。当時の若者が夢見た近未来的な造形は、一周回って今の時代には極めて新鮮なレトロモダンとして映る。

一見すると安価なデジタル時計の延長線上にあるように思えるが、実物を手に取ればその認識は一変するだろう。全身を覆うステンレススチールの質感、ヘアラインとミラー加工を精緻に使い分けた仕上げ。

90gという適度な重量感が、デジタルウォッチにありがちな軽薄さを完全に払拭している。表面をフラットに仕上げた多列バンドの装着感も相まって、高級感すら漂う仕上がりだ。

特筆すべきは、機能の削ぎ落とし方にある。スマートウォッチのように心拍数を測ることも、メールの通知に怯えることもない。できるのは時刻を知り、アラームを鳴らし、ストップウオッチを回すことだけ。だが、この不自由さこそが、絶え間ない情報の濁流から自分を切り離すためのスイッチになる。

image:CASIO

去年に登場したA1100GGV-8JFとA1100GV-9JFは、既存のシルバーやブルーとは異なる大人の色気を感じさせる。グレーは都会的でストイックな印象を、イエローゴールドはヴィンテージウォッチのような枯れた渋さを醸し出す。スーツの袖口から覗いても、あるいは週末のラフな装いに合わせても、絶妙な外しとして機能する懐の深さがある。

昭和に生まれたデザインが、半世紀近い時を経てなお色褪せない。最先端を追いかけることに疲れた現代人にとって、この普遍的な造形と単機能さは、どんな高機能デバイスよりも贅沢な選択肢となるはずだ。デジタル時計の再定義は、この小さなケースの中から始まっている。

個人的にはかなりお気に入りの時計。スーツでもカジュアルコーデでも合わせられるので、非常に使い勝手が良いですね。

気になる方はこちらから。

…でもいいんですけど、ベルト調整がちょっとめんどくさいので、実店舗で購入してその場でベルト調整をしてもらう事をオススメします。

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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