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「裏技」がついに塞がれた。スマートフォンで画面をオフにしたまま、あるいは別アプリを操作しながらYouTubeの音声を流し続ける
――これまでモバイルブラウザの仕様を突くことで辛うじて維持されてきたこの「無料バックグラウンド再生」が、Googleによるセキュリティ強化によって完全に無効化された。もはや画面をロックして音楽やポッドキャストを楽しむための正規ルートは、月額課金のYouTube Premiumのみとなる。
事態は1月下旬に急変した。これまでFirefoxやBrave、Vivaldiといったサードパーティ製ブラウザ、あるいはPC版サイト表示(デスクトップモード)を駆使することで機能していた再生ハックが、一斉に遮断されたのだ。
Samsung Galaxy S26などの最新ハイエンド端末であっても、古い機種であっても結果は変わらない。画面が暗転するか、ブラウザを最小化した瞬間、オーディオは容赦なく停止する。
Googleはこの変更について、バックグラウンド再生を一貫して「Premium会員限定の機能」と定義しており、プラットフォーム全体での厳格な適用を開始したと認めている。

つまり、これはバグではなく、意図的な「機能制限の徹底」だ。月額1,280円(税込)のサブスクリプションコストを回避してきた層に対し、Googleは技術的な壁を高く積み上げた形となる。
当然ながら、ユーザーコミュニティの反発は激しい。Redditなどの掲示板では「無料体験の意図的な劣化だ」「ブラウザの基本機能を制限する権利があるのか」といった批判が噴出している。広告ブロッカー排除の動きに続くこの強硬姿勢は、ユーザーをPremium加入へ誘導するための強烈な圧力に他ならない。
しかし、これで完全に決着がついたと見るのは早計だ。すでに開発者コミュニティでは、新しいスクリプトやクライアントアプリによる回避策の模索が始まっている。Googleがセキュリティを強化すれば、ユーザー側も新たな抜け道を探す。長年続いてきたプラットフォームとユーザーの「いたちごっこ」は、ブラウザという主戦場において、より高度で複雑なフェーズへと突入したと言える。
Googleの今回の措置は、Webブラウザというオープンな環境にどこまでプラットフォーム側が介入できるかという議論も再燃させそうです。今後、代替となる「抜け道」アプリやスクリプトがどう進化していくのか、あるいはGoogleがさらに強硬な手段に出るのか、引き続きこの「いたちごっこ」の行方をウォッチしていきます。

