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1995年、あまりに早すぎた「3Dゲーム機」が、30年の時を経てNintendo Switchで劇的な復活を遂げる。任天堂は2月17日、Switchおよび次世代機「Switch 2」対応の周辺機器として、新型バーチャルボーイを発売する。
単なる復刻モデルに留まらず、未発売ソフトの投入まで見据えたこのプロジェクトは、同社のレトロゲーム戦略における新たな転換点となる。
ラインナップは、発売当日の7タイトルからスタート。ワリオランドやテレロボクサーといった当時を象徴する名作が並ぶ。しかし、真の驚きはその先に隠されていた。年内には、開発中止となり幻のソフトと化していた「ゼロレーサーズ」や「D-ホッパー」のリリースが控えている。かつての挫折を、歴史の修正と補完によって「完成」させようとする任天堂の執念が透けて見える。


価格は通常版が9,980円、段ボール製の簡易モデルが2,980円。ターゲットを明確に分けた戦略だ。利用にはNintendo Switch Onlineへの加入が必須となるが、巻き戻し機能や中断ポイントの作成といった現代的な操作性の向上は、あの赤い画面に苦戦した旧世代への救いとなる。
9,980円で販売されるSwitch 2という強力なハードウェアをバックに、最先端のグラフィックスとは真逆のベクトルで勝負を挑む姿勢。これこそ同社特有の「枯れた技術の水平思考」そのものだ。
面白いのは、画面色のカスタマイズ機能。赤いレンズカバーを取り外すことで、従来の赤色以外にも黄色や緑、白への変更を可能にしている。長時間のプレイで目を酷使したユーザーへの、任天堂らしい皮肉めいた、あるいは実利的な配慮だろう。
かつて失敗作の烙印を押されたデバイスが、Switchのエコシステムに取り込まれることで真の価値を証明できるのか。幻の未発売ソフトが日の目を見る時、バーチャルボーイは30年越しのリベンジを果たすことになる。とりえず、ペーパーモデルでお試しですかね?

