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プレイステーション6の足音が、少しずつ遠のいている。 好調なPS5の販売実績と、歯止めのかからない部材コストの高騰。 この二つの要因が重なり、ソニーは次世代機への移行を急がない構えだ。 現行機がビジネスとして円熟味を増す中、あえてリスクを取って新ハードを投入する必然性が薄れている。
金融アナリストのデビッド・ギブソン氏は、ソニーの2025年度第3四半期における業績が予想を上回ると指摘。 売上高1.8兆円、営業利益1600億円という強気な予測の背景にあるのは、PS5の驚異的な粘りだ。
年末商戦での値引き戦略が功を奏し、ハードウェアの普及率は依然として堅調。 ソフト不足を指摘する声もありながら、ユーザーの現世代機への満足度は高く、収益構造は極めて安定している。
一方で、次世代機開発の前に立ちはだかるのが「製造コスト」という物理的な壁。 PS6に搭載が期待される32GBのGDDR7メモリや高速ストレージの価格高騰は、メーカーの計算を狂わせている。
AMD製のOrion APUやRDNA 5の採用といったスペック面での進化は想定できても、それを消費者が受け入れ可能な価格に抑えるのは至難の業だ。 すでにPS5やXbox Series Xが発売時の価格を上回る異例の市場環境において、さらなる高価格化はユーザーの離反を招きかねない。
マイクロソフトとソニーが発売延期の協議を開始したというリークもあり、業界全体が「待ち」の姿勢に転じている。 メモリコストが沈静化し、技術革新に見合う価格設定ができるまで、ソニーがPS5の寿命を限界まで引き延ばすのは合理的な判断と言える。
PS5の黄金期は、我々の予想以上に長く続く。 圧倒的なシェアを盾に、ソニーは次なる革命に向けた「雌伏の時」を手に入れた格好だ。 ハードウェアの飛躍よりも、まずは現行エコシステムの完成度をどこまで高められるか。 次世代機の輪郭が見えるのは、まだ先の話になりそうだ。
Source:サンドストーンインサイト


