PS5がようやく普通に買えるようになり、多くの人が次世代のグラフィックを堪能し始めたばかりの今、早くも「PS6」の足音が聞こえてきました。しかし、聞こえてくるのは期待の声だけではありません。
世界的なメモリ価格の高騰が、次世代機の発売時期や価格に影を落としているというのです。
「せっかくPS5を手に入れたのに、もう次の心配?」と、少し複雑な気持ちになるのも無理はありません。今回は、業界屈指のリーカーたちが発信した相反する情報をもとに、私たちが今、何を信じて待つべきなのかを深掘りしていきます。
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リーカーたちの仁義なき戦い…延期か!?それとも予定通りか?
ことの始まりは、インサイダーとして知られるトム・ヘンダーソン氏が「ソニーがPS6の発売延期を検討している可能性がある」と報じたことでした。これに反応したのが、ポッドキャスト番組「Moore’s Law Is Dead(MLID)」です。
MLIDは、内部関係者からの情報として「発売日を1年遅らせるような決定はなされていない」と主張しました。AMDとの契約による「Orion」と呼ばれるAPUの製造計画は、2027年半ばを目指して順調に進んでいるというのです。
ここで面白いのは、両者の微妙なニュアンスの差です。ヘンダーソン氏が「延期についての協議が始まった」と述べたのに対し、MLIDは「現時点でスケジュールに支障は出ていない」と返しました。
一見対立しているようですが、実は「将来への不安はあるが、まだ決定打にはなっていない」という、生々しい企業内の葛藤が透けて見えます。

メモリ価格高騰という「見えない敵」
なぜ今、延期の噂が出るのでしょうか。その元凶は、私たちのスマホやPCにも使われている「メモリ(DRAM)」の価格変動です。
最新のゲーム機には大量の高速メモリが必要ですが、その価格が跳ね上がれば、本体価格を上げざるを得ません。PS5ですら発売後に値上げを経験した今の状況で、PS6がさらに高価になれば、ユーザーがついてこれなくなる。ソニーが慎重になるのは当然の心理と言えるでしょう。
しかし、MLID氏は楽観的な見方を示しています。ソニーは開発サイクルのかなり後半になるまで、システムに搭載するメモリの最終的な量を確定させる必要がないというのです。
つまり、2027年や2028年の市場状況を見てから「調整」する余裕がある。この柔軟性こそが、私たちが今すぐパニックになる必要がない最大の理由かもしれません。
PS6は「買う価値」のある進化を遂げるのか
技術的なスペックに目を向けると、PS6は「RDNA 5」アーキテクチャを採用し、レイトレーシング(光の反射の表現)やアップスケーリング技術が劇的に向上すると言われています。
ただ、ここで一つ冷静に考えてしまう自分もいます。「それだけで、また高いお金を払って買い替える理由になるだろうか?」という疑問です。PS4からPS5への移行時のような、ロード時間の消滅や圧倒的な解像度の変化を、私たちは再び体験できるのでしょうか。
アナリストたちも、ゲーマーがこれ以上の価格上昇を受け入れるかどうかを疑問視しています。ソニーにとっての本当の戦いは、技術を詰め込むことではなく、「この価格で、この体験なら絶対に欲しい」と私たちを納得させる魔法をかけられるかどうかにある気がします。
本来の発売周期的には、とっくにPS6が発売されている時期を過ぎているのですが、PS5が普及するまでに2年近くの歳月が掛かりましたからね。そのせいもあって、色々と流れが変わりましたよね…

変化を待つ時間さえも、楽しみの一つに
かつてゲーム機の発売といえば、ただひたすらワクワクするだけのお祭りでした。しかし今は、半導体不足や世界情勢、経済的な背景までが複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない物語になっています。
今回のリーク騒動は、私たちが新しいハードウェアに対して抱く「期待」と、財布事情や先行きの不透明さからくる「不安」のせめぎ合いを象徴しているようです。
ソニーがメモリ価格の波をどう乗りこなし、どのような形で私たちの前にPS6を提示するのか。2027年というターゲットが動かないのであれば、私たちにはまだ、今のゲーム体験をじっくり楽しみながら、次なる進化を見極める時間がたっぷりと残されています。


