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Retroid Pocket 6は、アンダー3万円クラスの携帯ゲーム機市場において、間違いなく新たな基準を打ち立てた。圧倒的なディスプレイ品質と、PS2すら軽快にこなす処理性能。
しかし、実際に手に取った海外レビュアーたちの声からは、スペック表だけでは見えない、道具としての危うさも浮き彫りになっている。
最大の武器は、120Hz駆動のAMOLEDディスプレイだ。発色の良さと応答速度の速さは、レトロゲームの体験を一段上のステージへと引き上げる。バッテリー持ちも良好で、長時間のプレイに耐えうるスタミナも備えた。しかし、設計段階での迷走が、思わぬ影を落としている。
前作Retroid Pocket 5で好評だったテクスチャードグリップが廃止され、背面は滑りやすい質感に。さらに、ABXYボタンと左スティックの距離が近すぎるという致命的な設計ミスが指摘されている。激しいアクションゲームでは親指がスティックに干渉し、没入感を削ぐ要因になりかねない。

もしPCゲームのストリーミングや、Gamehubでの運用を視野に入れるなら、12GBのRAMと256GBストレージを搭載した上位モデル一択だ。Androidベースのシステムにおいて、メモリの余裕はマルチタスク時の安定性に直結する。ストレージに関しても、microSDに逃がせないPCゲームのデータを考慮すれば、256GBは最低ライン。このあたりの選択肢の広さはRetroidらしい配慮といえる。
競合を見渡せば、よりコンパクトなRetroid Pocket G2や、液晶ながら大型で高リフレッシュレートを誇るAyaneoのKonkr Pocket Fitが立ちはだかる。さらに上位には、より強力なプロセッサを積むAYN Odin 3も控える。
Retroidが選んだのは性能と価格の暴力だが、デザイン変更の不評をユーザーがどう受け止めるか。ハードウェアとしての完成度を求める層にとって、今回のボタン配置は無視できない懸念材料だ。
配送遅延という逆風の中、期待と不安が入り混じるスタートを切ったRetroid Pocket 6。荒削りな操作性を、その圧倒的なコストパフォーマンスでねじ伏せることができるのか。ファームウェアアップデートでは解決できない物理的な不満に対し、メーカーが次の一手でどう応えるかに注目が集まる。
Source:Retroid

