記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
Appleが突如として、2013年発売のiPhone 5sを含む旧型デバイス向けに最新アップデート「iOS 12.5.8」を公開した。 この更新は単なる気まぐれではない。
2027年1月に迫っていた「通信の寿命」を回避するための、極めて実務的な救済措置だ。
今回のアップデート対象は、iPhone 5s、iPhone 6 / 6 Plus、iPad Air、iPad mini 2 / 3、そして第6世代iPod touchといった、すでにOSのメジャーアップデートから切り離されたモデルたち。 2023年1月のiOS 12.5.7以来、実に3年ぶりとなる異例のリリースとなっている。
| デバイス種別 | モデル名 |
| iPhone | iPhone 5s |
| iPhone | iPhone 6 |
| iPhone | iPhone 6 Plus |
| iPad | iPad Air |
| iPad | iPad mini 2 |
| iPad | iPad mini 3 |
| iPod | iPod touch(第6世代) |
中身はセキュリティ修正ではなく、iMessageやFaceTime、さらにはデバイスのアクティベーションに不可欠なデジタル証明書の有効期限延長に特化している。 もしこの更新を怠れば、2027年1月以降、これらの端末はAppleのサーバーと通信ができなくなり、スマートデバイスとしての価値を事実上失うことになっていた。
IT市場において、発売から12年以上が経過したハードウェアに対して公式が修正を提供し続けるケースは極めて稀だ。 これは中古市場や教育現場、あるいは特定の産業用途で現役稼働している端末を見捨てないというAppleのブランド戦略の一環であり、製品の資産価値を底支えする姿勢の表れ。
最新機能を追う層には無縁の話に聞こえるが、予備機や音楽プレーヤーとして愛用し続けるユーザーにとっては、これ以上ない朗報だろう。
対象デバイスが手元にあるなら、設定からソフトウェア・アップデートを即座に適用すべきだ。 期限が1年先とはいえ、ネットワークの挙動を安定させる意味でも、早めの対応が推奨される。 古いハードウェアでも「つながる」という最低限のインフラを維持し続けるAppleの執念。 それは同時に、同社が構築してきたエコシステムの盤石さを改めて世に知らしめる結果となった。

