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Appleが墓場まで持っていくつもりだった秘密が、思わぬところから漏洩した。Airbnbのブライアン・チェスキーCEOが社内向けに出した、新CTO採用の通知。そこに記されていたのは、Appleが決して公式には認めなかった自動運転車プロジェクト。
通称プロジェクト・タイタンの明確な実在証明だ。
2014年の発足から10年、霧の中にあったクパチーノの野望が、外部企業のトップによってあっけなく暴露された衝撃は大きい。
事の発端は、元MetaでLlamaの開発を率いたアハマド・アル=ダール氏のAirbnb入りだ。チェスキー氏は彼を歓迎するメモの中で、2014年にアフマド氏がAppleの自律技術グループを設立し、自動運転車プロジェクトの中核となるAIシステムを開発したと明記。
Appleの元従業員が履歴書で特別プロジェクトや技術開発グループといった曖昧な表現で濁す暗黙の了解を、チェスキー氏は豪快に踏み倒した形だ。
アル=ダール氏という人物の経歴を見れば、Appleがいかにこのプロジェクトへ本気だったかが透けて見える。2005年からAppleに在籍し、初代iPhoneのマルチタッチディスプレイやApple Watchの開発に深く関わった超エース級の人材。その彼が2014年から自動車に軸足を移していた事実は、当時のAppleがiPhoneの次を本気で車に求めていた証左に他ならない。
2024年初頭にプロジェクトの中止が報じられた際も、Appleは沈黙を貫いた。失敗を認めない企業文化にとって、このリークは痛恨の極み。
しかし皮肉なことに、この情報は現在のテック業界の勢力図を如実に物語っている。かつて車を作ろうとした天才エンジニアたちは、Metaで大規模言語モデルを鍛え、今はAirbnbのようなサービスプラットフォームの知能化を担っている。
Appleの秘密主義という鉄のカーテンが、人材流動化という時代の波によって引き裂かれた瞬間。公式発表なき終焉を迎えたプロジェクト・タイタンは、こうして他社のプレスリリースという意外な形で、歴史の1ページにその名を刻むことになった。
今後、Appleに残されたAI資産がどのように既存製品へ統合されるのか。車というハードウェアを諦めた彼らが、ソフトウェアの知能化でどう巻き返すのか、その動向から目が離せない。
Source:Airbnb

