Xiaomiがまたやってくれました。
ガジェット界隈では「そろそろ来るか?」と噂されていたPocoブランドの新型タブレットですが、まさかここまで攻めたスペックで、しかもこのタイミングで投入されるとは予想外だったかもしれません。Xiaomiはグローバル市場に向けて、モンスター級のバッテリーを積んだ「Poco Pad M1」の発売計画を正式にアナウンスしました。
多くの人が「Poco=スマホ」というイメージを持っている中で、タブレット市場へ本格的に殴り込みをかけてきた今回の動き。しかも、単なる廉価版ではなく、スペックシートを見る限り「本気」を感じさせます。しかし、詳しい方ならスペックを見てある既視感を覚えたはずです。「これ、あの機種じゃない?」と。
今回は、11月26日に発売が迫ったPoco Pad M1の全貌と、兄弟機との複雑な関係、そして私たちが一番知りたい「結局、買いなのか?」という点について、リーク情報と公式発表を交えながら徹底的に紐解いていきます。

Poco Pad M1の発売日とF8シリーズとの関係性とは
Xiaomiの発表によると、来る11月26日、グローバルローンチイベントのステージはかなりの混雑になりそうです。主役はもちろん、次世代のフラッグシップ・キラーとなる「Poco F8 Pro」や「Poco F8 Ultra」といったスマートフォンたち。
しかし、今回のイベントには隠し玉が用意されていました。それが、4つ目のデバイスとして登場する「Poco Pad M1」です。
これまでのPocoの発表サイクルを考えると、スマホのおまけ的にアクセサリーが発表されることはありましたが、ここまでしっかりとしたタブレットが同時展開されるのは、ブランドとしてのフェーズが変わったことを感じさせます。ちなみに、Poco F7(無印)はそのまま継続販売されるとのことなので、ラインナップはかつてないほど充実することになります。
ここで面白いのが、上位モデルである「Poco Pad X1」の存在です。Xiaomiは今回、ハイエンド寄りのX1と、ミドルレンジ(と思われる)M1を同時に市場に投入することで、あらゆる価格帯のユーザーを根こそぎ獲得しようとしている意図が見え隠れします。
120Hz&12000mAh搭載!スペックから見る「正体」
さて、ここからが本題です。公式に明かされたスペックを見ていきましょう。まず目を引くのが、タブレットの心臓部とも言えるバッテリー容量です。なんと12,000mAh。これは一般的な10インチクラスのタブレットが8,000mAh前後であることを考えると、規格外のスタミナを持っていることがわかります。
さらにディスプレイも見逃せません。12.1インチの大画面に、2.5Kの高解像度。そしてゲーマーや動画好きには必須の「120Hzリフレッシュレート」に対応しています。ヌルヌル動く大画面、そして電池切れを気にせず使える大容量バッテリー。これだけ聞くと、非の打ち所がない完璧なタブレットに見えます。
しかし、ガジェット通の鋭い視線はごまかせません。この「12.1インチ」「2.5K」「120Hz」「12,000mAh」という数字の並び、どこかで見覚えがありませんか?
そう、Amazonなどで既に販売されている「Redmi Pad 2 Pro」と瓜二つなのです。

Redmi Pad 2 Proとの違いとリブランドの真実
業界の噂、というよりほぼ確信に近い情報として、Poco Pad M1はRedmi Pad 2 Proのリブランド(名称変更版)である可能性が極めて高いです。Xiaomiを含む中国メーカーは、地域や販売チャネルによって製品名を変える戦略をよく取ります。
では、私たちは単に「名前が変わっただけの製品」を見せられているのでしょうか?
実は、完全に同じではない可能性が残されています。公式のティーザー画像やリーク情報を細かく分析すると、Poco Pad M1には独自のデザイン要素が含まれていることがわかります。
特に注目すべきは「カラーバリエーション」です。Pocoブランドを象徴するような、鮮やかなブルーのカラーオプションが追加されている点が、Redmi版との大きな差別化ポイントになりそうです。
筐体のデザインやカメラハウジングの形状はRedmi Pad 2 Proを踏襲しているものの、背面のロゴや仕上げの質感でPocoらしさを演出してくるでしょう。中身が同じでも「Pocoのデザインが好き」「PocoのUIテーマが好き」というファンにとっては、この微差が購入の決め手になることもあります。

誰がPoco Pad M1を選ぶべきか?選び方のポイント
スペックが優秀であることは間違いありませんが、すでにRedmi Pad 2 Proが存在する今、あえてPoco Pad M1を選ぶメリットはあるのでしょうか。ここでは、購入を検討する際の判断基準を整理してみます。
まず、価格設定が最大の焦点になります。一般的にPocoブランドは、Redmiよりもさらに「コスパ」を追求する傾向にあります。もし、Redmi Pad 2 Proよりも安い価格で登場するならば、それだけで「買い」の理由になります。
次に、販路とサポートです。グローバル版として正式にアナウンスされたことで、日本を含む多くの国で入手しやすくなる可能性があります。並行輸入でRedmi版を買うよりも、保証やサポート面で安心できるPoco版を選ぶというのは賢い選択です。
逆に、すでに高性能なタブレットを持っている人や、コンパクトな8インチクラスを求めている人には、12.1インチというサイズは少し大きすぎるかもしれません。この端末は、自宅で動画を見たり、バッテリー持ちを活かして長時間作業をしたりする「据え置き寄り」の使い方で真価を発揮するタイプです。

安定のスペックに「Pocoの魂」は宿るか
今回のPoco Pad M1の発表は、革新的な新技術の登場というよりは、Xiaomiが持つ「成功したハードウェア」を、Pocoという若々しいブランドのフィルターを通して再定義する試みと言えます。
120Hzの滑らかな画面と、数日は充電不要なほどの巨大バッテリー。この「絶対に外さないスペック」を、Pocoならではの価格とデザインで手に入れられるなら、それは多くのユーザーにとって魅力的な選択肢になるはずです。リブランドだと分かっていても、良いものは良い。むしろ、実績のあるハードウェアだからこそ、初期不良の心配が少ないという安心感さえあります。
11月26日、価格が発表された瞬間、このタブレットが「覇権」を取るかどうかが決まるでしょう。

