iPhoneの新型モデルといえば、誰もが「次はどんなスゴいカメラが載るのか?」と期待しますよね。しかし、その“当たり前”が、次の「iPhone Air」では覆されるかもしれません。
Apple関連のリークで知られるブルームバーグのマーク・ガーマン氏が、驚くべきレポートを発表しました。2027年登場とされる「iPhone Air 2(仮称)」は、なんとカメラ機能の強化よりも**「バッテリー寿命」を最優先する**というのです。
巷では「カメラが2つになる」「デザインが一新される」といった噂が飛び交う中、なぜAppleは真逆とも思える選択をするのでしょうか? そこには、私たちがまだ気づいていない、Appleの巧妙な戦略と「変化」の兆しが隠されているようです。
Source:ブルームバーグのガーマン氏
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🧐 「iPhone Air 2」じゃない? 発売時期とネーミングの意図
まず驚くべきは、その登場時期と名前です。
一部では2026年後半と噂されていましたが、ガーマン氏によれば、Appleは当初から2027年初頭の発売を計画していたとのこと。これは、秋に発表される通常のiPhone(例:iPhone 18)とは意図的にサイクルをずらしたものです。
さらに注目すべきは、その名称。 Appleは「iPhone 17 Air」のような番号付きではなく、単に「iPhone Air」と名付ける可能性が高いといいます。これは、「このモデルは毎年のアップデート対象ではない」というAppleからの明確なメッセージなのかもしれません。

📸 なぜ超広角カメラ(2眼)を見送るのか?
今回のレポートで最も衝撃的なのが、「カメラは進化しない」という点です。
多くのユーザーが期待する「超広角レンズの追加(デュアルカメラ化)」は、技術的には可能だそうです。しかし、ガーマン氏は「そのアイデアは奇妙だ」とバッサリ。
超広角レンズを追加するには、内部設計の全面的な見直しが必要です。iPhoneユーザーが(標準カメラに比べて)最も使用頻度の低いセンサーのために、そこまでコストと労力をかけるのは不釣り合いだ
と指摘しています。
確かに、薄型・軽量が売りの「Air」モデルで、内部が混雑しているベゼル部分をわざわざ再設計してまで追加する機能ではない、という判断は、非常に合理的と言えるでしょう。「ビジュ(見た目や機能の派手さ)」よりも「実利」を取るという、Appleの強い意志が感じられます。

🔋 真の革命は「A20 Pro」チップにあり
では、カメラの代わりにAppleが注力するものは何でしょうか? それこそが、iPhone Airの存在意義そのもの、すなわち「圧倒的なバッテリー寿命」です。
その心臓部として期待されるのが、2nmプロセスで製造されるという次世代チップ「A20 Pro」です。この新型チップは、これまでのアーキテクチャを大幅に上回る電力効率を実現すると予測されています。
薄くて軽いデバイスの最大の弱点は、バッテリー搭載スペースの制約です。A20 Proによる省電力化は、この弱点を克服し、「薄いのに、一日中使える」という、ユーザーが本当に求めている体験を実現するための鍵となります。
🗓️ Appleの新たな戦略? 年2回の「2段階リリース」
最後に、ガーマン氏はAppleの今後のリリース戦略についても言及しています。
- 2026年秋(ハイエンド): iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max、そして新型の「折りたたみ式」モデル。
- 2027年初頭(約6ヶ月後): iPhone 18、iPhone 18e(廉価版?)、そして刷新された「iPhone Air」。
もしこれが事実なら、Appleは「秋に全モデル一斉発表」という長年のサイクルを捨て、年2回の2段階リリースへと戦略を大きく転換することになります。これは、市場の多様なニーズに、より柔軟に応えていくための「変化」と言えるでしょう。

まとめ
今回のガーマン氏のレポートは、私たちがいかに「iPhone=カメラの進化」という固定観念に縛られていたかを痛感させるものでした。
「iPhone Air」が目指すのは、カメラ性能でProモデルと競うことではありません。むしろ、Proモデルが肥大化する一方で失いつつある「薄さ、軽さ、そして日常使いでの圧倒的な快適さ(=バッテリー)」という、かつてのiPhoneが持っていた原点に回帰することなのかもしれません。
超広角カメラという「わかりやすい進化」をあえて捨て、A20 Proという内部の革新に賭ける。これは、スペック競争に疲れた市場に対する、Appleなりの「答え」の提示ではないでしょうか。2027年、私たちが手にする「Air」は、見た目以上に賢く、タフな相棒になっていることでしょう。

