「POCOから、また新たな低価格タブレットが出るらしいぞ!」――そんな期待を抱かせる「Poco Pad M1」の噂が、現実味を帯びてきました。
Geekbenchという性能測定サイトにその名が登場し、主要スペックがリークされたのです。しかし、そのスペックシートを見た瞬間、Xiaomiの動向を追う者たちは、喜びと同時に「あ、このパターンか」という複雑な溜息を漏らしました。そう、お得意の「リブランド戦略」の匂いです。

Geekbenchが暴いた「Poco Pad M1」の正体
テックティップスターのAbhishek Yadav氏によって発見されたGeekbenchのファイルは、Poco Pad M1の心臓部を明らかにしました。
- チップセット: Snapdragon 7s Gen 4(CPU 2.71GHz 1コア、Adreno 810 GPU)
- メモリ: 8GB RAM
- OS: Android 15
「お、Snapdragon 7s Gen 4か。ミッドレンジタブレットとしては十分な性能だ」――そう思ったのも束の間、このスペック構成には強烈なデジャヴがあります。そう、これらは最近グローバル発表された「Redmi Pad 2 Pro」の仕様と完全に一致するのです。
なぜXiaomiは「ややこしい」ことをするのか?
Xiaomiの製品戦略に詳しくない方にとっては、「なぜ同じタブレットを、わざわざPOCOとRedmiという二つのブランド名で売るのか?」と不思議に思うかもしれません。
これは、Xiaomiグループが長年にわたり、特にエントリーからミッドレンジのスマートフォンで繰り返してきた「お家芸」です。地域やターゲット層に合わせてブランドイメージを使い分ける、というマーケティング戦略(あるいは在庫管理の都合)なのでしょう。
しかし、私たち消費者にとっては、これが混乱の元凶となります。「Poco Pad M1」と「Redmi Pad 2 Pro」のどちらを買うべきか比較しようにも、中身が同じでは比較のしようがありません。

期待すべきか、警戒すべきか
もちろん、このリブランド戦略にも良い側面はあります。それは、「Redmi Pad 2 Pro」の確かなスペック(Snapdragon 7s Gen 4搭載)が、POCOブランドの強力な価格設定によって、さらに安価に手に入る可能性がある、ということです。
Poco Pad M1は、すでにPoco Pad X1(これは別のモデルの噂)に続く、手頃な価格帯の選択肢としてグローバル市場に投入される見込みです。
Geekbenchのようなベンチマークデータベースに登場したということは、Xiaomiによる公式発表が間近に迫っていることを示唆しています。POCOファン、あるいは予算重視でまともなスペックのタブレットを探している人にとっては、長く待つ必要はなさそうです。

まとめ
結局のところ、「Poco Pad M1」という新しい名前のタブレットに、私たちは「Redmi Pad 2 Pro」の姿を見ることになりそうです。「新しい選択肢が増えた!」と単純に喜ぶべきか、「またモデル名が増えてややこしくなった…」と嘆くべきか。
このXiaomiの戦略は、私たち消費者に「名前(ブランド)ではなく、中身(スペックと価格)を見ろ」という、ある種の禅問答を突きつけているのかもしれません。公式発表の際は、スペックよりもまず「価格」に注目する必要がありそうです。

