タブレット市場がにわかに活気づいています。ハイエンドはiPadやGalaxyが君臨し、エントリークラスはAmazon Fire HDが押さえる中、我々が最も「悩ましくも楽しい」のが、そう、ミッドレンジ市場です。
そんな中、Xiaomi(シャオミ)から、またしてもガジェット好きの心をくすぐるリーク情報が飛び込んできました。
「Poco Pad X1」
え、Poco? あのコスパの化身みたいなブランドが、ついにタブレットにも本格参入?
以前から噂はありましたが、どうやらその姿が具体的に見えてきたようです。Geekbenchに登場したその中身が、「Snapdragon 7+ Gen 3」を搭載しているというのです。
…ん? ちょっと待ってください。そのスペック、どこかで聞いたことがありませんか?
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突如現れた「Poco Pad X1」とは何者か?
今回、海外のベンチマークサイト「Geekbench」のデータベースに、「25099RP08G」という謎のモデル番号のデバイスが登場しました。これこそが、Xiaomi傘下のブランドPocoからリリースが噂されている新型タブレット「Poco Pad X1」ではないか、と界隈が色めき立っています。
Redmi K Pad Mini / POCO F Pad Global (model: 25099RP08G) spotted on Geekbench.
— Abhishek Yadav (@yabhishekhd) November 5, 2025
Specs:
– Snapdragon 7+ Gen 3
– Adreno 732 GPU
– Core layout: 1×2.80GHz + 3×2.52GHz + 4×1.82GHz
– 8GB RAM
– Android 15 pic.twitter.com/Pky2eR6h5S
Pocoといえば、スマートフォンで「ありえない価格でハイエンド級の性能」を叩き出し、市場を何度も混乱(賞賛)させてきた、あのPocoです。
そのPocoがタブレットを出す。それだけで、期待せずにはいられません。

注目すべきSoCは「Snapdragon 7+ Gen 3」
今回のリークで最も注目すべきは、搭載されているチップセット(SoC)です。
- SoC: Snapdragon 7+ Gen 3
- RAM: 8GB
- OS: Android 15
Geekbenchのスコアは、シングルコアで1,897、マルチコアで5,214を記録しています。
「Snapdragon 7+ Gen 3」と聞いてピンとこない方もいるかもしれませんが、これはミッドレンジ向けの「7シリーズ」の皮を被った、実質ハイエンドに近い性能を持つ強力なチップです。
一昔前のフラッグシップスマホを軽々と超える処理能力を持っており、これがタブレットに搭載されるとなると、日常使いはもちろん、かなり重い3Dゲームや動画編集も快適にこなせるレベルです。
RAM 8GB、OSも最新のAndroid 15が搭載されている点も、ケチケチしていないPocoらしさ(Xiaomiらしさ)が垣間見えます。

最大の焦点:「Xiaomi Pad 7」の“リバッジ”説は本当か?
さて、ここからが本題です。 ガジェットに詳しい方なら、「Snapdragon 7+ Gen 3搭載のタブレット」と聞いて、ある機種を思い浮かべたはずです。
そう、中国ですでに発表(あるいは近々発表)が噂されている「Xiaomi Pad 7」です。
今回のリーク情報では、Poco Pad X1に搭載されているGPU(画像処理装置)が「Adreno 732」であることも判明しています。これは、Xiaomi Pad 7に搭載されると見られているSnapdragon 7+ Gen 3のGPUと完全に一致します。
さらに、Geekbenchのスコアも、内部テストで確認されているXiaomi Pad 7のものと「ほぼ互角」。
これは偶然でしょうか?
いや、十中八九、Poco Pad X1 = Xiaomi Pad 7 のリバッジ(ブランド名を変えた兄弟機)である可能性が極めて高い、ということでしょう。
「なんだ、またお得意のリバッジか…」
そうガッカリするのは、まだ早い。むしろ、これは朗報かもしれません。 もし、Poco Pad X1が、高性能が期待されるXiaomi Pad 7をベースにしているのなら、そのクオリティは折り紙付き。
問題は、Xiaomiがすでに「Pad 8」や「Pad 8 Pro」といった上位機種のグローバル展開も準備していると噂されている中、なぜあえてPocoブランドで「Pad 7ベース」のモデルを出すのか、という点です。
これは筆者の推測ですが、おそらく「価格」と「販売地域」で明確な棲み分けを行う戦略ではないでしょうか。

まとめ
Xiaomi本体がプレミアム路線(Pad 8 Proなど)でAppleやSamsungに対抗しつつ、Pocoブランドでは「性能は欲しい、でも価格は抑えたい」という、最も層が厚いボリュームゾーンを、この「Poco Pad X1」でゴッソリと奪いに行く。
そんなシナリオが見えてきます。
もしPoco Pad X1が本当にXiaomi Pad 7のリバッジであるならば、私たちは「高性能タブレット」を「Poco価格」で手に入れられる、またとないチャンスを手にするのかもしれません。
ミッドレンジタブレット市場は、このPoco Pad X1の登場によって、一気に戦国時代へ突入する予感がします。

