「毎年1月のお楽しみ」として定着していたサムスンの新作発表会「Galaxy Unpacked」。しかし、2026年に登場が期待される「Galaxy S26」シリーズに関しては、どうやらその常識が通用しないかもしれません。
当初は「単なる噂」と片付けられていた「3月発売説」ですが、ここに来てその信憑性を裏付ける複数の情報が浮上しています。例年より2ヶ月も遅れるというのは、一体なぜなのでしょうか?

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噂が噂を呼ぶ「3月発売説」の現実味
すべての発端は、遠くギリシャからの報道でした。「Galaxy S25 Ultra(Amazonで購入可能)の後継機を手にするには、例年より2ヶ月も長く待つことになるかもしれない」—。南欧からのこの一報は、当初、多くのファンにとって半信半疑のものでした。
しかし、この流れを変えたのが、著名なリーカーであるSetsuna Digital氏の存在です。彼もまた、Weibo上で「Galaxy S26シリーズの発表は2026年3月になる可能性」を指摘。単なるゴシップレベルであった話が、業界の「公然の秘密」へと変わりつつあるのです。

なぜ遅れる?韓国業界筋が明かす「2つの理由」
では、なぜこれほどの大幅な遅れが検討されているのでしょうか。その具体的な根拠を報じたのが、韓国の業界誌「TheElec」です。同誌が伝える理由は、大きく分けて2つあります。
理由1:モデル間の「生産スケジュールのズレ」
最大の理由は、S26シリーズ内部での「開発・生産スケジュールの違い」にあるとされています。業界関係者の話として、以下の内情が報じられました。
- Galaxy S26 Ultra: 予定通り2025年12月に生産開始。
- Galaxy S26 / S26+: 生産開始は2026年1月予定。
情報筋によれば、標準モデル(S26)とプラスモデル(S26+)は、開発のスタート自体がUltraモデルよりも遅れていたとのこと。特にこの2モデルはサイズ以外の共通点が多く、「S26+の開発が完了するまで、S26の量産も待つのが合理的」という判断が働いている可能性が高いようです。
部品レベルで見ても、現時点で正式な生産承認が下りているのは、S26 Ultraに搭載される新型のOLED「プライバシーディスプレイ」のみと報じられており、他のモデルの準備が整っていないことを示唆しています。

理由2:消えた「Edge」モデルの影響
もう一つの可能性として、今回のスケジュール遅延には、噂されている「Galaxy S26 Edge」の開発キャンセルが影響している可能性も否めません。
S25 Edgeの販売不振を受け、S26でのEdgeモデル開発が終盤で中止されたとの噂があります。このラインナップの急な変更が、S26シリーズ全体の完成と発表スケジュールに予期せぬ影響を与えたのではないか、と見られています。
サムスンのジレンマ:Ultra先行発売か、全モデル延期か
この状況により、サムスンは難しい選択を迫られています。
- シナリオA: 3モデルすべての準備が整う「3月」まで、Galaxy Unpackedイベント全体を延期する。
- シナリオB: 生産準備が整った「S26 Ultra」のみを1月に先行発売し、S26/S26+を後から発売する。
現時点では、サムスンがどちらの道を選ぶのか、まだ明らかになっていません。

まとめ
当初は疑わしかった「Galaxy S26の3月発売説」ですが、著名リーカーの追随や、韓国の業界誌による具体的な生産スケジュールの報道によって、急速に現実味を帯びてきました。
開発スケジュールのズレや、ラインナップ見直しの余波など、サムスン内部の事情が重なっているようです。S26 Ultraの「プライバシーディスプレイ」など、新技術への期待も高まりますが、まずは「Ultra先行発売」となるのか、それとも「全モデル同時発売で3月に延期」となるのか。
サムスンの正式発表を、これまで以上の緊張感を持って待つ必要がありそうです。

