「最新こそ最良」 私たちはガジェットを選ぶとき、無意識にそう信じ込んでいます。特にiPhoneの「Pro」シリーズにおいて、機能が減るなんてことはあってはならない、ある種のタブーのようなものでした。
世間では、シングルカメラの性能不足が露呈した「iPhone Air」の話題で持ちきりです。しかし、実はその裏で、本来なら賞賛の的であるはずの『iPhone 17 Pro』にとんでもない「サイレント修正」が行われていたことに、どれだけの人が気づいているでしょうか。
それは、私たちが2020年から当たり前のように使ってきた「ナイトモードとポートレートモードの併用」機能の削除です。
なぜAppleは、カメラ性能を売りにするProモデルでこのような不可解な決断を下したのか。これは単なるバグなのか、それとも意図的な設計変更なのか。
今回は、購入してから「え、撮れないの?」と青ざめないために、iPhone 17 Proに隠された意外な落とし穴と、その対策について深掘りしていきます。
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iPhone 17 Proで「夜のポートレート」が撮れないという衝撃
iPhone 12 Proが登場したときのことを覚えているでしょうか。LiDARスキャナを搭載し、薄暗いレストランや夜景をバックにした人物撮影でも、背景を美しくぼかしつつ、被写体を明るく捉えることができたあの感動を。
あれから5年。順当に進化してきたはずのiPhone 17 Proで、その歴史が途切れました。
複数のユーザーからの報告、そしてAppleの公式ドキュメントによって、iPhone 17 Proでは「ナイトモード」と「ポートレートモード」が同時に機能しないことが判明しました。つまり、夜間の撮影において「明るく撮るか」「背景をぼかすか」の二者択一を迫られることになったのです。
3つの48メガピクセルFusionセンサーを搭載し、ハードウェアとしては最強のスペックを誇るはずのこの端末で、なぜか「夜の雰囲気あるポートレート」だけが封じられてしまった。この矛盾に、多くのカメラ愛好家が首を傾げています。

歴代モデルとの比較!なぜ「17 Pro」だけが除外されたのか
この変更がいかに異質であるかを確認するために、過去のモデルとの互換性を整理してみましょう。Appleの公式情報に基づく対応状況は以下の通りです。
- iPhone 12 Pro / Pro Max:対応
- iPhone 13 Pro / Pro Max:対応
- iPhone 14 Pro / Pro Max:対応
- iPhone 15 Pro / Pro Max:対応
- iPhone 16 Pro / Pro Max:対応
- iPhone 17 Pro / Pro Max:非対応
ご覧の通り、過去5世代にわたって継承されてきた「Proの特権」が、最新モデルで突然リストから消えています。
iPhone 17 Proには、新しい「Center Stage」対応のフロントカメラや、動画撮影の新機能「Dual Capture」など、魅力的な追加要素は確かにあります。しかし、これらは「失われた機能」の穴埋めになるでしょうか?
夜のカフェ、結婚式の二次会、キャンプファイヤーの灯り。そういった「光量は足りないが、雰囲気たっぷりに撮りたい」シーンにおいて、最新機種が数年前のモデルに劣るという現実は、ユーザー体験として看過できない違和感を残します。

原因はバグか、仕様か?考えられる理由と今後の可能性
現時点でAppleはこの件に関して「仕様である」とも「バグである」とも明確な声明を出していませんが、ドキュメントに明記されている以上、意図的な設計である可能性が高いと言わざるを得ません。
では、なぜ削除されたのでしょうか。 一つの仮説として考えられるのは、新しい画像処理エンジンや48MPセンサーの処理負荷との兼ね合いです。あるいは、新しい「Dual Capture」などの機能とリソースが競合してしまった可能性もあります。しかし、チップ性能も飛躍的に向上しているはずのA19 Proチップ(仮定)で、処理能力不足という理由は説得力に欠けます。
ネット上のフォーラムやSNSの界隈では、「今後のiOSアップデートでしれっと復活するのではないか」という期待の声も上がっています。実際、過去には発売当初になかった機能がソフトウェア更新で追加された例もあるため、希望は捨てきれません。しかし、現時点では「できない」という事実に向き合う必要があります。
暗所撮影はどうすべき?具体的な対策と代替案
「iPhone 17 Proを買ってしまった、あるいは買う予定だ」という方のために、現状で考えられる対策をいくつか提案します。
- 通常のナイトモードを使用する
背景ボケは諦めることになりますが、明るさとノイズ低減は確保できます。被写体に近づくことで、物理的なレンズの特性による自然なボケを狙うのが、最も基本的な回避策です。 - 編集アプリで後からボケを加える
幸いなことに、iPhoneは通常の写真モードで撮影しても深度情報(Depth Map)を記録している場合があります。撮影後に写真アプリの編集機能や、「Focos」などのサードパーティ製アプリを使って、擬似的に背景をぼかす処理を行う方法です。手間はかかりますが、仕上がりはポートレートモードに近づけられます。 - 照明を工夫する
非常にアナログな解決策ですが、被写体に少しでも光が当たるように場所を移動したり、別のスマホのライトを照明代わりに使ったりすることで、ナイトモードを使わずともポートレートモードが作動する明るさを確保します。 - Appleへのフィードバックを送る
これが最も根本的な解決策になるかもしれません。多くのユーザーが「この機能は必要だ」と声を上げることで、Appleが優先的に機能を復活させる可能性が高まります。

