スマートフォンの「性能インフレ」が止まりません。特にフラッグシップキラーとして市場を震撼させ続けてきたXiaomiのRedmiブランドから、とんでもない「怪物」が登場しました。
2025年10月23日、中国で正式発表された「Redmi K90 Pro Max」。
その心臓部には、噂の最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を搭載。さらに、最上位モデル「Xiaomi 17 Pro Max」とほぼ同等のカメラハードウェアを備えているというのですから、界隈が騒然となるのも無理はありません。
果たして、Redmi K90 Pro Maxは、ライカという「飛び道具」なしに、どこまで本家のカメラ性能に迫れるのか。そして、Boseチューンのスピーカーとは一体何なのか。公式からリークされたカメラサンプルを基に、その恐るべきポテンシャルを分析します。

最新SoC「Snapdragon 8 Elite Gen 5」と「Boseチューン」の衝撃
まず、このデバイスの「格」を決定づけているのが、搭載されるSoC(頭脳)です。Qualcommの次世代フラッグシップチップ「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を搭載し、その強力無比な処理能力が約束されています。
これにより、高負荷な3Dゲームはもちろん、AI処理や高度な画像・動画編集まで、あらゆる動作が快適になることは想像に難くありません。
しかし、Xiaomiはそれだけでは満足しなかったようです。 なんと、オーディオ面では「Boseチューンによる2.1chスピーカーシステム」というとんでもない仕様を盛り込んできました。
スマートフォンで「2.1ch」というだけでも異例ですが、そこにあのBoseが関わっているとなれば、そのサウンドクオリティは一体どうなってしまうのか。動画鑑賞やゲーム体験が、文字通り「異次元」のものになる可能性を秘めています。

カメラハードウェアは「Xiaomi 17 Pro Max」譲り
Redmiブランドといえば、これまでは「性能は高いがカメラはそこそこ」というイメージがつきまとっていました。しかし、K90 Pro Maxはその常識を完全に覆そうとしています。
Xiaomiが公開したティーザーによれば、搭載されるカメラのハードウェアは、最上位のXiaomi 17 Pro Max(ライカチューニング搭載機)とほぼ共通です。
メインカメラ (50MP, 1/1.31インチ)
これは、Xiaomi 17 Pro Maxに搭載されているものと全く同じセンサーです。1/1.31インチという大型センサーがもたらす恩恵は絶大。公開されたサンプル画像からは、明暗差の激しいシーンでも白飛びや黒潰れを抑えた、非常に高いダイナミックレンジが確認できます。
超広角カメラ (50MP)
こちらもXiaomi 17に搭載されているものと同じ、高解像度50MPセンサーを採用。安価なモデルにありがちな「画素数を落としたおまけ」の超広角ではありません。サンプルを見る限り、画像の隅々までディテールと色彩をしっかりと保持しており、風景撮影などで大いに活躍しそうです。
5倍光学ズームと10倍「ロスレス」の実力は?
そして、今回のカメラ性能で最も注目すべきが「望遠」です。
Redmi K90 Pro Maxは、5倍の光学ズームと、10倍の「ロスレスズーム」に対応した望遠センサーを搭載しています。
公開されたズームショットは、これがRedmiブランドかと目を疑うほどの精細さ。10倍ズームでも被写体のディテールがしっかりと保持されており、実用性が非常に高そうです。また、ポートレート撮影のサンプルも良好で、光学5倍(焦点距離にして約120mm前後でしょうか)の自然なボケ味と圧縮効果が、被写体を美しく際立たせています。


「ライカ」の不在はどこまで影響するか
ハードウェアがXiaomi 17 Pro Maxとほぼ同じである以上、当然気になるのは「写りの違い」です。 17 Pro Maxには、あの「ライカ(Leica)」による色彩チューニングが施されています。対して、K90 Pro Maxにはその記述がありません。
Xiaomiは「ライカチューニングのおかげで17 Pro Maxの方がわずかに優れているかもしれない」と含みを持たせていますが、公開されたサンプルを見る限り、K90 Pro Maxの「素の」絵作りも、Xiaomiの画像処理技術の成熟を感じさせる、非常に高いレベルにあるようです。
ライカの持つ独特の「空気感」や「深み」は得られないかもしれませんが、多くのユーザーにとっては十分すぎるほどの「良い写真」を叩き出してくれることは間違いなさそうです。


「フラッグシップキラー」の完全なる再来。ただし鵜呑みは禁物
「Redmi K90 Pro Max」は、Redmiブランドが再び「フラッグシップキラー」の頂点に返り咲くことを高らかに宣言する、意欲作と言えるでしょう。
Snapdragon 8 Elite Gen 5という最強の心臓部、Boseチューンのスピーカー、そしてXiaomi 17シリーズ譲りの強力なカメラハードウェア。これだけのスペックを、Redmiブランドの価格帯で実現してきた(であろう)ことに、まず最大の賞賛を送りたいと思います。
特にカメラ性能の進化は著しく、これまでのRedmiのイメージを根底から覆すポテンシャルを秘めています。
ただし、一点だけ冷静になるべき点があります。それは、ソースの最後にもある通り「メーカーが発売前に公開するカメラサンプルは、必ずしも正直な情報を提供していないことが多い」という事実です。これは、最も条件の良い環境で、プロが撮影した「ベストショット」である可能性が高いのです。
とはいえ、このハードウェア構成が期待外れに終わるとは考えにくい。我々消費者が行うべきは、この期待感を胸に抱きつつも、発売後の独立したレビューを待つことです。
なお、このK90 Pro Maxは、グローバル市場では「Poco F8 Ultra」として発売されると予想されています。日本市場への投入がどうなるか…多分発売はされるでしょうね!ッッッッッね!

