スマートフォンのバッテリー性能を語る上で、「バッテリー容量(mAh)の大きさこそが正義」——私たちは、そう信じて疑いませんでした。しかし、その常識が根底から覆されるかもしれない、衝撃的なテスト結果が明らかになりました。
主役は、7,500mAhという前代未聞の超大容量バッテリーを搭載した「Xiaomi 17 Pro Max」と、その半分近い容量しか持たない王者「iPhone 17 Pro Max」。誰もがXiaomiの圧勝を予想したこの戦いは、誰も想像し得なかった結末を迎えます。
この記事では、話題のバッテリー耐久テストの結果を紐解きながら、なぜスペック上の圧倒的な差が実使用時間では無に帰してしまったのか、その背後にある「本当の理由」とは…。
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スペックの常識を覆した、衝撃のテスト結果
今回の注目のテストを行ったのは、ガジェット系の人気YouTuberであるTechDroiderです。彼は、複数の最新フラッグシップスマートフォンを集め、非常に過酷な条件下でバッテリーが尽きるまでの時間を計測しました。
テスト内容は、ゲームプレイ(PUBG)、動画再生(YouTube)、ウェブブラウジング、SNS、そして4K動画撮影という、スマートフォンのバッテリーを最も消耗させるタスクの連続です。その結果は、以下の通りでした。
- Xiaomi 17 Pro Max (7,500mAh): 13時間36分
- iPhone 17 Pro Max (4,823mAh): 13時間31分
- Galaxy S25 Ultra (5,000mAh): 11時間20分
誰もが目を疑ったはずです。Xiaomi 17 Pro Maxのバッテリー容量は、iPhone 17 Pro Maxより約57%も大きいにもかかわらず、その駆動時間の差は、わずか「5分」だったのです。スペック上のアドバンテージは、実質的に無意味だったということになります。

なぜ大容量バッテリーは「宝の持ち腐れ」になったのか?
この結果から見えてくるのは、現代のスマートフォンにおける2つの異なる進化の方向性です。
一つは、Xiaomiに代表される「ハードウェアによる物理的な限界突破」です。最新のシリコンカーボン技術を駆使し、とにかく大容量のバッテリーを搭載することで、駆動時間を延ばそうというアプローチ。その姿勢は賞賛に値します。
しかし、今回のテストは、そのアプローチだけでは頂点に立てないことを示しました。ここで浮上するのが、Appleが採るもう一つの方向性——「ソフトウェアとハードウェアの徹底的な最適化」です。
iPhone 17 Pro Maxが少ないバッテリー容量で同等の結果を出せた背景には、驚異的な電力効率を誇る自社開発の「A19 Pro」チップの存在と、iOSがバックグラウンドで行う無数の最適化処理があります。Appleは、ハードウェアとソフトウェアを自社で一貫して開発することで、エネルギーの無駄を極限まで削ぎ落とし、バッテリーの一滴一滴を効率的に使い切る「燃費の良いエンジン」を作り上げているのです。
今回の結果は、Xiaomiのバッテリー性能が低いということではありません。むしろ、7,500mAhという巨大なポテンシャルを、ソフトウェアの最適化がまだ最大限に引き出しきれていない、「宝の持ち腐れ」の状態にあることを示唆しています。


この結果を鵜呑みにしてはいけない、もう一つの側面
ただし、この一件だけで「iPhoneの完全勝利」と結論づけるのは早計です。TechDroiderのテストは非常に参考になる一方で、いくつかの注意点があります。
第一に、YouTuberによるテストは、実験室のような厳密に管理された環境で行われるわけではないため、画面の明るさや通信環境など、結果に影響を与える多くの変数が存在します。そのため、結果はあくまで一つの参考値として捉えるべきです.
第二に、重要なのは、別のテストではXiaomi 17 Pro MaxがiPhone 17 Pro Maxをゲーム性能と効率性の両面で上回っているという報告もあることです。これは、特定のタスクにおいては、Xiaomiのハードウェアがその真価を発揮することを示しています。
