秋の風が心地よい季節になりましたが、ガジェット好きの心を熱くさせるニュースが舞い込んできました。そう、次期iPad Proに関する、信憑性の高いリーク情報です。2024年5月にM4チップを搭載し、その圧倒的なパフォーマンスと美しい有機ELディスプレイで我々を驚かせたiPad Proですが、どうやら次なる進化の足音はもうすぐそこまで聞こえているようです。
ロシアのYouTubeチャンネルからリークされた開封動画によれば、次期モデルの心臓部には待望の「M5チップ」が搭載され、メモリ(RAM)も増強されるとのこと。これは、プロのクリエイターやヘビーユーザーにとって、まさに朗報と言えるでしょう。
しかし、一方で期待されていた「ある新機能」については、雲行きが怪しくなっています。
この記事では、現在明らかになっているリーク情報を基に、次期iPad Proが遂げるであろう2つの確実な進化と、いまだ謎に包まれた1つの噂について、分かりやすく解説していきます。
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心臓部は「M5チップ」へ!気になる性能向上はどれくらい?
今回のリーク情報で最も注目すべきは、やはり次世代のAppleシリコン「M5チップ」の搭載でしょう。現行モデルに搭載されているM4チップですら、多くのノートPCを凌駕するほどの性能を誇りますが、M5はそれをさらに上回るパフォーマンスを実現するようです。
リークされた動画内で示された「Geekbench 6」のベンチマークスコアによると、その進化は驚くべきものです。
- マルチコアCPU性能:最大12%向上
- グラフィック性能:最大36%向上
「12%」と聞くと、地味な進化に思えるかもしれません。しかし、これは日々のあらゆる操作の快適さに直結します。複数のアプリを切り替えながら作業する際のレスポンス、高解像度の動画編集における書き出し時間の短縮など、プロフェッショナルな現場でこそ、この差が大きな意味を持ってくるのです。
そして、特筆すべきはグラフィック性能の「最大36%向上」です。これは、3Dレンダリング、AR(拡張現実)コンテンツの制作、そして本格的なAAA級ゲームのプレイ体験を、別次元へと引き上げるポテンシャルを秘めています。iPad Proが、単なるタブレットの枠を超え、真のクリエイティブスタジオ、あるいはポータブルなゲーミングマシンとして、その地位を不動のものにすることを示唆しています。
このリークの信憑性を高めているのは、情報源となったYouTubeチャンネルが、昨年、M4搭載のMacBook Proの情報を発表前に的中させているという実績がある点です。今回も、期待せずにはいられません。
全モデル快適に?メモリ(RAM)は最低12GBが標準仕様へ
パフォーマンスを語る上で、チップ性能と並んで重要なのがメモリ(RAM)の容量です。現行のM4搭載iPad Proでは、ストレージ容量によってRAMの量が異なりました。
- 256GB / 512GBモデル:8GB RAM
- 1TB / 2TBモデル:16GB RAM
これにより、大容量ストレージを選ばなければ、最高のマルチタスク性能を手に入れることができないという、ある種の「格差」が存在していました。
しかし、今回のリーク情報によれば、次期iPad Proは最低ストレージモデル(256GB)から12GBのRAMを搭載するとのこと。これは非常に大きな改善点です。
RAMが増えることによるメリットは計り知れません。例えば、イラスト制作アプリで大量のレイヤーを重ねたり、動画編集アプリで複数の4Kクリップをタイムラインに並べたり、音楽制作アプリで多くのトラックを同時に再生したり…といった高負荷な作業が、よりスムーズに、そして安定して行えるようになります。
これまで「メモリ不足でアプリが落ちてしまった」という経験をしたことがある方にとっては、この変更だけでも買い換える価値があると言えるかもしれません。Appleが、iPad Proをより本格的なプロの道具として位置づけようとしている意志の表れとも取れるでしょう。

謎に包まれた「デュアルフロントカメラ」の噂、その真相は?
さて、ここまでは期待高まるポジティブな情報でしたが、一つ、気になる噂があります。それは「デュアルフロントカメラ」の搭載です。
以前から、次期iPad Proにはフロントカメラが2つ搭載されるのではないか、と噂されていました。これは、iPadを縦向きで持っても、横向きで持っても、ビデオ通話の際に自然な目線で相手とコミュニケーションが取れるようにするための機能だと考えられていました。特に、Magic Keyboardを装着してノートPCのように使うシーンが多いユーザーにとっては、待望のアップデートだったはずです。
しかし、今回リークされた開封動画では、残念ながら2つ目のフロントカメラの存在は確認できませんでした。動画に映っていたのは、上部ベゼルにある環境光センサーのみだったのです。
この不可解な状況について、Apple関連のリーク情報で高い信頼性を誇るブルームバーグのマーク・ガーマン氏は、自身のニュースレターで興味深い見解を示しています。
「AppleのM5 iPad Proにはセカンドレンズが搭載されていると断言できます。Appleはこれまで、…(中略)…機能をテストしてから廃止してきた経緯がありますが、今回の変更は土壇場での奇妙な廃止と言えるでしょう。」
つまり、「開発段階ではデュアルカメラが搭載されていたものの、何らかの理由で製品版では見送られた」という可能性を示唆しているのです。もしこれが事実であれば、非常に残念なニュースです。
我々ユーザーにできることは、今月中に発表されるであろう公式情報を待つことだけです。果たして、革新的なデュアルカメラは搭載されるのか、それとも幻の機能となってしまうのか。答え合わせの時は、もう間もなくです。

まとめ
今回流出した次期iPad Proのリーク情報は、我々の期待を大きく膨らませるものでした。
M5チップによる確実な性能向上、そして最低12GBへのRAM増強。この2つの進化は、iPad Proをプロフェッショナルのための究極のツールへとさらに昇華させることは間違いないでしょう。特にグラフィック性能の大幅な向上は、これまで以上に複雑で高度なクリエイティブワークを可能にし、新たな表現の扉を開くきっかけになるかもしれません。
一方で、多くのユーザーが待ち望んでいたであろう「デュアルフロントカメラ」の搭載については、不確定な情報が錯綜しており、一抹の不安が残ります。もし搭載が見送られるとなれば、利便性の向上という点では、少し物足りなさを感じるユーザーもいるかもしれません。
