記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
Googleが発売したばかりの画面なしトラッカー「Fitbit Air」。発売からわずか1週間あまりで、同社は公式のハードウェア設計ガイドラインと2D CADデータを一般公開しました。サードパーティ企業だけでなく、個人のDIY愛好家が自由にカスタムバンドやアクセサリーを自作できる環境が早くも整った形です。
公開されたガイドラインには、単なる外観の寸法だけでなく、非常にシビアなハードウェア要件が記載されています。Fitbit Airは、センサーやバッテリーを内蔵した本体「ペブル」と、それを覆う「スリーブ」による2ピース構造。今回の仕様書では、ペブルとスリーブを嵌合させる際の力(装着力10〜25ニュートン、取り外し力12〜45ニュートン)や、心拍数・SpO2センサーの精度を保つための推奨圧力(最低35mmHg)に至るまで、極めて詳細な数値が明かされました。
この動きは、現在のウェアラブル市場において明らかに異彩を放っています。競合のWhoopやOuraが独自のサブスクリプションモデルでユーザーを強固に囲い込む中、99ドルのFitbit Airは基本トラッキングに必須の継続課金がありません。さらにハードウェア設計までオープン化したことで、Googleはデバイスを「売って終わり」にするのではなく、ユーザーコミュニティの熱量を利用してエコシステムを一気に拡張する戦略に打って出たわけです。
メーカーが数種類の純正バンドを展開して利益を得る従来の手法とは異なり、3Dプリンターさえあれば誰でも独自のアクセサリーを生み出せる世界。上腕用バンドやペンダント型など、公式が想定していないニッチな装着スタイルもユーザー主導で次々と誕生するはずです。一定の基準を満たせば「Made for Google」の認定バッジまで取得できる仕組みも用意されており、個人クリエイターが公式パートナーへと成り上がる道まで開かれています。
自社の最新ハードウェア設計をあえてオープンソースに近い形で解禁する大胆な決断。これによりFitbit Airは、単なる格安フィットネストラッカーから、市場で最もカスタマイズ性の高いデバイスへと進化を遂げました。ガジェットの形をユーザー自身が自由に定義するこの新たなアプローチは、今後のウェアラブル業界のあり方を問う大きな試金石となるはずです。

Source:Google

