「Vader 5S」が凄すぎる。高級機にしか無かったスティック荷重調整を搭載し、さらに磁気センサー採用でドリフトも克服。

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ゲーミングデバイス市場において、長らく「価格と性能は比例する」という不文律が存在していました。しかし、Flydigiが米国で発表したXbox公式ライセンスコントローラー「Vader 5S」は、その常識を過去のものにするかもしれません。

59.99ドル(約9,000円前後)というミドルレンジの価格帯ながら、マイクロソフト純正の「Elite Series 2」に肉薄、あるいは部分的に凌駕するスペックを引っ提げて登場したからです。これは単なる新製品の発売ではなく、プロコントローラー市場における価格破壊の狼煙と言えます。

本製品の最大のトピックは、間違いなくスティックのテンション調整機能の実装です。スティックを回して抵抗荷重を40gfから100gfの間で無段階に変更できるこの機構は、これまで「Elite Series 2」など一部の高級機にのみ許された特権でした。

精密なエイムが求められるFPSでは重く、素早い入力が必要なアクションでは軽くといった調整が、わずか60ドルのデバイスで可能になる意味は大きい。さらに、スティックとトリガーの両方にホール効果センサーを採用しており、長期間使用してもドリフト現象(勝手に視点が動く不具合)が起きにくい点も見逃せません。

純正のエリコン2がいまだに物理接点のポテンショメーターを採用していることを考えると、耐久性と精度の面では「下剋上」が起きています。

競合となるGameSirの「G7 Pro」と比較しても、Vader 5Sの優位性は際立っています。G7 Proも評価の高い製品ですが、価格は約80ドル。Vader 5Sはそれより20ドル安いうえに、機能面で上回ります。特にボタン数においては、前面のC/Zボタン、ショルダーのLM/RMボタン、背面のM1/M2ボタンと、合計6つの追加ボタンを搭載。

これらは専用ソフトウェア「Space Station」で自由に割り当て可能です。前面の6ボタン配置は格闘ゲーマーからの支持も厚く、カチッとしたクリック感のあるメカニカルスイッチを採用したABXYボタンと相まって、操作感へのこだわりは徹底しています。

もちろん、有線接続である点は好みが分かれるところですが、遅延を嫌う競技志向のゲーマーにとってはむしろメリットになり得ます。振動モーターの追加や、Xbox本体のウェイクアップ機能への対応など、サードパーティ製コントローラーが抱えがちな「あと一歩」の不満点もしっかり潰してきました。

FlydigiはこれまでもPC向けコントローラーで高い評価を得てきましたが、Xbox公式ライセンスを取得したことで、コンソール市場への本気度がうかがえます。

ここまで高機能な製品をこの価格帯で投入された以上、GameSirやRazerといった他のサードパーティ、そして純正のエリコンを販売するマイクロソフト自身も、うかうかしてはいられません。Vader 5Sが広く流通すれば、プロコントローラーの価格基準そのものが、大きく引き下げられることになるはずです。

Source:Flydigi

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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