Apple Watchと高級時計を重ねる禁断の選択肢 CES 2026で物議を醸すSmartletの正体

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お気に入りの機械式時計を身につけて外出したい。けれど、Apple Watchの歩数計や睡眠ログ、通知機能も捨てがたい。

左腕にロレックス、右腕にApple Watchという「本田圭佑スタイル」に踏み切る勇気はない。

そんな、全ガジェット好きが一度は抱える「手首のジレンマ」に対し、あるスタートアップが斜め上の回答を叩きつけました。

2026年、ラスベガスで開催されたCESの会場で。パリからやってきたSmartlet(スマートレット)というブレスレットです。彼らの提案は、あまりにも大胆で、少しだけ狂っています。両方の時計を同じ手首に、上下に重ねてしまえばいい。

この発想、あなたは笑い飛ばしますか? それとも救世主だと崇めますか?

Source&image:Smartlet

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パリ発のスタートアップが放つ二刀流の哲学

高級時計の伝統的な美しさと、シリコンバレーが生んだ最新の利便性。これまでは、どちらかを選べば、どちらかを諦めるのが当たり前でした。

しかし、Smartletの創設者デイビッド・オハヨン氏は、その妥協を拒絶したのです。Smartletは、一見するとただの重厚な金属バンドに見えます。

しかしその実態は、Apple Watchとアナログ時計を連結させるための、精密に設計されたモジュラーシステムです。

まさに、アナログとデジタルの物理的な融合といえるでしょう。

この製品の背後にあるのは、フランスらしい「美への執着」と「合理性」の同居です。ビジネスの商談中、相手に見えるのはクラシックで品格のある機械式時計。一方で、自分にだけ見える手首の内側には、最新の通知が表示されている。

そんなスパイ映画のような使い分けが、このブレスレット一本で完結します。

Smartletのラインナップと価格設定

このブレスレットは、決して安価なアクセサリーではありません。むしろ、それ自体が高級時計のパーツとしてのプライドを持っています。

展開されているモデルと、その驚きの価格帯を整理しました。

モデル名素材予定価格(時計本体別)特徴
Classic Steelステンレススチール約350ユーロ堅牢で汎用性の高い標準モデル
Premium Titaniumチタン約600ユーロ驚くほどの軽さと耐久性を両立

この価格には、当然ながらApple Watchも、組み合わせる高級時計も含まれていません。

あくまで、二つを繋ぎ止める「橋渡し」の役割を果たすバンドのみの価格です。日本円に換算すれば、約6万円から10万円といったところでしょうか。

この金額を「ただのバンド」に払えるかどうかが、最初の分岐点となります。

しかし、ロレックスやオメガ、タグ・ホイヤーといった一生モノの時計を愛用している層にとって、この投資は意外と現実的なのかもしれません。

ロレックスやオメガと共存するための高度な設計

Smartletが対応しているのは、Apple Watchだけではありません。

ラグ幅が18mmから24mmの範囲であれば、ほとんどの伝統的な時計と組み合わせることが可能です。あなたの宝物であるヴィンテージウォッチも、一瞬でスマート化できるのです。

装着感についても、CESでの先行レビューでは意外なほどの高評価を得ています。独自のストラップデザインにより、見た目の重厚感に反して、手首への負担は最小限に抑えられているとのこと。

二つの時計を支えるためのバランス計算が、緻密になされている証拠でしょう。

ただし、物理的な制約も無視できません。このシステムを装着すると、手首の厚みが9mmから12mmほど増してしまいます。

タイトなシャツの袖口に干渉したり、デスクワーク中に机にぶつけたりするリスクは、覚悟しておく必要があります。さらに、Apple Watchの本来の目的である健康管理機能についても注意が必要です。

心拍数などのバイタルデータを正確に測定するためには、Apple Watchが手首の内側に密着している必要があります。

つまり、常に「裏側」にデジタルの顔を向けておかなければならないのです。

日本からの購入は可能なのか 立ちはだかる配送の壁

ここまで読んで、この「変態的(褒め言葉です)」なガジェットに興味を持った方もいるでしょう。しかし、日本のユーザーにとって、手に入れるまでの道のりは険しそうです。

現時点での状況を整理しておきます。

まず、Smartletの公式サイト(smartlet.io)では予約注文が始まっています。しかし、配送先リストに日本が含まれる可能性は、今のところ極めて低いと言わざるを得ません。

パリのスタートアップということもあり、まずは欧州圏内での展開に注力しているようです。

また、こういった特殊なブレスレットは、各国の技適や規制とは直接関係ないものの、物流やサポートの面で日本進出には時間がかかるのが通例です。

どうしても欲しい場合は、現地の転送サービスを利用するか、誰かが並行輸入してくれるのを待つしかありません。

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この記事を書いた人

私の始まりはプログラマーとしてシステム開発に携わり、ガジェットの内部構造や技術的な課題を深く理解してきました。その後は営業マンとして、技術が市場でどのように受け入れられ、どのようなニーズがあるのかを現場で学んできました。
この「技術的な解像度の高さ」と「市場における現実的な価値」という二つの視点が、このブログで情報をお届けする上での私の基盤となっています。

ちなみに私のガジェット愛の原点は、初代iPhoneよりもさらに昔、いにしえのPDA『Palm』に遡ります。あの頃の端末は「できないこと」だらけでした。しかし、限られた環境の中で「どうすれば目的を達成できるか」と知恵を絞り、工夫を凝らす作業こそが、私にとって最高の楽しみでした。

長らくは初代iPhoneからの筋金入りApple信者でしたが、進化の速度が凄まじい昨今、フラッグシップの安定感を持つApple製品に加え、多種多様な機能を提供するAndroid端末を深く使い込む機会が増えています。

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