「軽さは正義だ」
俺たちガジェット好きが、特にiPhone 15 Proのチタンボディを手にした時に確信した「常識」は、どこへ行ってしまうんだ?
あの忌まわしきステンレスの「文鎮」感から解放され、小指の痛みとサヨナラできたはずだった。iPhone 16もその路線を引き継ぎ、つい2ヶ月前に出たばかりのiPhone 17 Pro Maxは、アルミニウムボディに回帰して233gという「軽さ」を維持してくれた。
このままiPhoneは「軽さ」と「高性能」を両立する未来に突き進むんだと、俺は信じて疑わなかった。
だが、iPhone 17の興奮も冷めやらぬ今、Weiboからとんでもない噂が飛び込んできた。
『iPhone 18 Pro Max』。
それは、俺たちが培ってきた「iPhoneは進化=軽量化」という予測を、真正面から粉砕する、あまりにも「重い」情報だった。
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「史上最重量」への逆行。何が起きている?
今回のリーク情報(発信源はWeibo)を整理しよう。 信じたくないが、これが「未来のiPhone」の姿だというのか。

- 重量: 約243グラム(iPhone 17 Pro Maxから約10g増)
- 厚さ: 8.75mm(iPhone 17 Pro Max)よりもさらに増加
「243グラム」 この数字を見て、ピンと来たヤツは相当なiPhoneマニアだ。 そう、これは俺たちの記憶に(そして小指に)深く刻まれた、あの「過去最重量」モデル、iPhone 14 Pro Max(240g)を、超えてくる数字だ。
iPhone 15と16のチタン採用。 あれは一体何だったんだ? 「軽さの革命だ!」とあれだけ騒いだのは、この「重量化」への序章に過ぎなかったとでも言うのか。
17 Pro Maxでアルミ(233g)に戻し、「うん、やっぱりこの軽さがいいよな」と俺たちが再確認した矢先に、10g増。 これは、もはや「誤差」じゃない。「明確な意思」を持った「重量化」だ。
なぜAppleは「軽さ」を捨ててまで「重さ」を選ぶのか?

Appleが、俺たちの「軽さこそ正義」という価値観を理解していないはずがない。 では、なぜ、その「正義」を捨ててまで、18 Pro Maxを重く、厚くする道を選ぶのか?
リーク記事は、その理由を2つ推測している。
1. モンスター級バッテリーの搭載
最も分かりやすい理由がこれだ。重さと厚さの増加は、物理的なバッテリー容量の増加とイコールであることが多い。 ユーザーの不満で常に上位にある「バッテリー持ち」。これを根本的に解決するために、「重さ」を犠牲にする。そういう決断だ。
2. 2nmベース「A20 SoC」の冷却スペース
もう一つの可能性が、次世代チップ「A20」だ。 2nmプロセスという未知の領域に踏み込むこのSoCが、どれほどのパフォーマンス(と、どれほどの熱)を叩き出すのか。
この「熱」を効率的に処理するため、つまりサーマルスロットリング(熱による性能低下)を防ぐために、より大きな冷却機構(ベイパーチャンバーなど)を搭載するスペースが必要になる。その結果が「厚さ」と「重さ」に跳ね返ってくる。
「軽さ」と引き換えに、「最強のバッテリー持ち」と「持続する最強のパフォーマンス」を手に入れる。 Appleは俺たちに、そういう「究極のトレードオフ」を突きつけようとしているのかもしれない。
迫られる「選択」。Pro Maxを持つということの「重み」

このリークが真実なら、Appleの戦略はより鮮明になる。
iPhone 15/16の「チタン」は、軽量化のための「技術」ではあったが、「戦略」ではなかった。 つまり、「軽さ」はあくまで副産物であり、Appleの最優先事項は常に「性能」と「体験(バッテリー持ち)」にある、ということだ。
さらに不穏な情報もある。iPhone 18シリーズは、ProとPro Max(来年後半発売)に対し、ベースモデルのiPhone 18は2027年前半に「延期」される可能性があるという。
これは、Appleが「Pro」モデルに全リソースを集中させ、ベースモデルとの「格差」を決定的なものにしようとしている証拠だ。 そして、その「Pro」の頂点であるPro Maxに、「重さ」という名の「覚悟」を求めてくる。
「軽さがいい? それならPro Maxを選ぶな」 そんな冷たい声すら聞こえてきそうだ。
まとめ
iPhone 18 Pro Maxが、iPhone 14 Pro Maxを超える「史上最重量」になるかもしれない。
正直、この報を聞いて、俺の心は重い。(iPhoneだけに) iPhone 17 Pro Maxの絶妙な軽さ(233g)に満足している「今」の俺としては、再びあの「文鎮」時代に逆行するなんて、悪夢でしかない。
チタンで軽量化に成功したはずのAppleが、なぜ自らその「成果」を捨てるような真似をするのか。 それは、「バッテリー」か「冷却」か。あるいは、その両方か。
俺たちは、「軽さ」を失う代わりに、何を手に入れられるんだろうか。 丸2日充電しなくても平気なバッテリーか? それとも、PC並みの処理を何時間続けてもビクともしない冷却性能か?
そう言われると、悩ましい。 結局、俺は文句を言いながらも、その「重さ」と引き換えに得られる「圧倒的な性能」を体験したいと、心のどこかで期待してしまっている。
まだこれは噂だ。 だが、もしこれが現実になるなら、俺たちは来年、「iPhoneを持つ」という行為そのものの「重み」と、改めて向き合わされることになる。

