「スマホのズームは、どうせデジタルでしょ?」
そんな風に私たちが、スマートフォンのカメラ性能にどこか冷めた一線を引いていた時代が、本格的に終わるかもしれません。SamsungやOppo、Vivoといった強豪が「高画素センサーによるデジタルズーム(クロップズーム)」の城壁を築き上げてきた中、Xiaomiがその常識を真正面から打ち破ろうとしています。
その武器の名は「Xiaomi 17 Ultra」。
現在リークされている情報、特に「2億画素(200MP)のライカ光学ズームカメラ」に関する詳細は、あまりにも衝撃的です。これは単なるスペックアップではありません。私たちが知るスマホカメラの常識、いや、「カメラ」という存在そのものの定義を、根底から覆す可能性を秘めています。

なぜ今、「光学ズーム」が“ガチ”で注目されるのか
ここ数年、スマートフォンのカメラは「高画素化」と「AI処理」によって、驚異的な進化を遂げました。特にズーム機能に関しては、高画素センサーの一部を切り出す「デジタルズーム」や、複数のレンズを組み合わせる「ハイブリッドズーム」が主流でした。
しかし、どれだけAIが優秀でも、物理的な限界は存在します。デジタルズームは、突き詰めれば「画像の引き伸ばし」です。そこに写っていない情報をAIが「生成」することはできても、レンズを通して入ってきた「本物の光」の解像度には敵いません。
Xiaomi 17 Ultraが狙っているのは、まさにこの点です。
競合他社がデジタル処理の覇権を争う中、Xiaomiは「光学」という物理法則で、デジタルズーム時代を「歴史のゴミ箱へと追いやろう」としています。これは単なるスペック競争ではなく、スマホカメラの思想における「変化の知覚」——潮目の変化そのものを示唆しているのかもしれません。

信頼のリーカーが明かした「2億画素」の正体
このセンセーショナルな噂の火元は、その多くが中国の著名なリーカー、Digital Chat Station氏によるものです。彼は、新型スマートフォンの発売数ヶ月前に、しばしば驚くほど正確な詳細を明らかにしてきた実績があり、その情報は決して無視できません。

彼によれば、このXiaomi 17 Ultraはすでに認証段階に入っており、中国では早ければ12月か1月にもその姿を現す可能性があるとのこと。Xiaomi 15 Ultraの後継機として、期待は高まるばかりです。
そして、今回の最大の目玉が、ライカ(Leica)の名を冠した「2億画素・光学ズームレンズ」の具体的なスペックです。
- 焦点距離70mm相当(中望遠)で、絞り値f/2.3
- 焦点距離100mm相当(望遠)で、絞り値f/3.0
この数字が意味するものを、もう少し深く掘り下げてみましょう。
70mmから100mmの「可変」が意味するもの
まず驚くべきは、これが「可変」である可能性です。70mmから100mmという、ポートレートから一歩踏み込んだ望遠域までを、1つの光学系でカバーする。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。焦点距離が長く(望遠に)なるにつれて、絞り値がf/2.3からf/3.0へと「暗くなる」特性。これは、一眼レフ用の安価なズームレンズによく見られる特徴です。
「なんだ、結局妥協の産物か」——そう考えるのは早計です。
思い出してください。これは、あの薄いスマートフォンの筐体に収められるレンズの話です。情報によれば、ソニーのXperia 1 VIIに搭載されているものと同様の「ペリスコープレンズ(光を内部で屈折させる構造)」が採用されている可能性が高いとされています。
この制約の中で「70mmから100mmの光学ズーム」と「2億画素」を両立させること自体が、すでに技術的な偉業です。f値の変化は、妥協ではなく、物理的な制約の中で導き出された「最適解」である可能性が高いのです。

最大の謎:それは「内蔵」か、それとも「外付け」か?
しかし、話はここで終わりません。今、このXiaomi 17 Ultraに関して、最もエキサイティングで、最も不可解な「謎」が浮上しています。
「その200MPライカズームは、本当にスマホに“内蔵”されているのか?」
数週間前にリークされた信頼性の高いコードは、Xiaomi 17 Ultraの背面に「4つのセンサー」が搭載されることを示唆していました。これは、従来の「広角・超広角・望遠・超望遠」といったクアッドカメラ構成を予測させます。
ですが、今回再浮上した「70mm-100mm可変ズーム」の噂は、この「4センサー」という情報と、どうもしっくりきません。
そこで浮上したのが、私たち読み手の「予測のズレ」を突く、驚くべき推測です。
一部のリーク情報筋は、これがXiaomi 17 Ultraの2つのモデルのいずれかに装着する「外付けズームレンズ」ではないかと推測しています。
これは、Oppo Find X9 ProやVivo X300 Proのテレコンバーター(装着式の望遠レンズ)に似ていますが、リークによれば「はるかに高性能」なものだといいます。
もしこれが事実なら、Xiaomi 17 Ultraは「2つの顔」を持つスマートフォンになります。 普段使いは、超高性能な内蔵カメラ(おそらくトリプルカメラ)でこなし、本気で撮影したい時には、この「200MPライカ光学ズームユニット」を装着する——。
それはもはや「スマホカメラ」ではない…

