「OnePlus 15」をはじめ、各社から「Snapdragon 8 Elite Gen 5」搭載のハイエンドスマートフォンが続々と発表され、その圧倒的な性能に市場が沸いています。しかし、その影で、同じQualcomm Summitで発表されたはずの「Snapdragon 8 Gen 5」(無印)の情報が、なぜか今頃になってリークとして浮上してきました。
そして、その内容は「Elite」の存在を知ってしまった我々にとって、少し奇妙なものかもしれません。

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Elite先行の裏で進む「Gen 5(無印)」の開発
ご存知の通り、すでに市場はSnapdragon 8 Elite Gen 5(以下、Elite Gen 5)の独壇場となりつつあります。しかし、水面下では次なる一手、MediaTek Dimensity 9500の直接的なライバルとなる「Snapdragon 8 Gen 5」(以下、Gen 5)の詳細が固まってきたようです。
著名なリーカーDigital Chat Stationによると、このGen 5はTSMCのN3Pノードで製造され、CPU構成は「2つのPrimeコア+6つのPerformanceコア」になるとのこと。

CPU性能:Dimensity 9500とガチの殴り合いへ
ここでの注目は、そのCPU性能です。リークによれば、Gen 5のGeekbench 6スコアは、シングルコアで3,000以上、マルチコアで10,000を超えるとされています。
これは、ライバルであるMediaTekの次期フラッグシップ「Dimensity 9500」とほぼ同等のパフォーマンスであり、QualcommがCPU性能で一歩も引かない構えであることが伺えます。ハイエンド市場のCPU性能争いは、この両者によってさらに激化しそうです。

衝撃のGPUリーク「Elite」とは何だったのか?
問題は、GPU性能です。
Gen 5には「Adreno 840 iGPU」が搭載されるとされています。これはElite Gen 5と同じ名称ですが、クロック周波数が1,200MHzに「スケールダウン」されたバージョンだと主張されています。
ベンチマークの予測値も具体的です。GFXBench 5.0(Aztec Ruins High Tier Offscreen)において、平均約100fpsを記録するとのこと。
もしこの数値が事実なら、以下の「予測とのズレ」が発生します。
- Elite Gen 5(最強モデル)には約10%及ばない。 (これはまぁ、順当な差でしょう)
- 旧世代の「Snapdragon 8 Elite」にもわずかに劣る可能性がある。
…ん?「Gen 5」なのに、旧世代の「Elite」に負ける?
この情報は、Qualcommのラインナップ戦略に大きな「変化」が起きていることを示唆しています。

まとめ
Elite Gen 5が「すべてを凌駕する最上位チップ」として先行し、後から登場するGen 5(無印)が「CPU性能はMediaTekに匹敵させつつ、GPU性能(=コスト?)を意図的に調整したモデル」となる可能性が浮上しました。
これは、かつてのように「Gen」の数字が上がる=全方位で最強、という単純な図式が崩れたことを意味します。
もしこのリークが正しければ、将来のスマートフォン選びは「Snapdragon 8」という名前だけで判断できなくなります。「Elite」なのか「Gen 5(無印)」なのか。その違いが、特にゲーム体験において大きな差を生むことになるかもしれません。

