OnePlusファンにとって、一つの時代が終わりを告げました。OnePlus 9シリーズから続いたハッセルブラッド(Hasselblad)との蜜月関係が終了し、次期フラッグシップモデル「OnePlus 15」では、あのお馴染みのロゴと色彩チューニングが失われることになります。
「ハッセルブラッド無きOnePlusに、もはや価値はあるのか?」
そんな厳しい声が聞こえてきそうな中、OnePlusの社長であるルイス・リー氏は、驚くべきことに「OnePlus 15はブランド史上最高のカメラを搭載している」と公言しました。その自信の源は、親会社でもあるOPPOの最新鋭技術「LUMO Condensed Light Imaging(LUMO集光光イメージング)」システムにあります。
ハッセルブラッド(Hasselblad)とは?
スウェーデンの非常に有名な高級カメラメーカーです。特に「中判(ちゅうばん)カメラ」と呼ばれる、一般的なデジタルカメラよりもはるかに大きなイメージセンサー(またはフィルム)を使用するカメラの分野で世界的に知られています。
果たしてこの「LUMO」技術は、ハッセルブラッドの抜けた穴を埋めるどころか、それを凌駕するほどの「切り札」となり得るのでしょうか? 発表された驚異的なスペックと共に、OnePlus 15が提示する「新しい答え」を徹底的に分析します。
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ハッセルブラッドとの別れ、そしてOPPOとの「共闘」
まず明確にしておきたいのは、OnePlusとOPPOの関係性です。両社は同じグループ企業であり、技術やリソースを共有するパートナーです。今回の「ハッセルブラッド提携終了」は、外部パートナーへの依存を止め、グループ内の最強技術を結集するという「内なる進化」と捉えるべきでしょう。
その象徴が、OPPOの「LUMO集光光イメージング」技術の採用です。
残念ながら、OnePlusはこの「LUMO」技術が具体的にどのような仕組みで画質を向上させるのか、その詳細をまだ明らかにしていません。しかし、「集光(光を集める)」という名前から察するに、暗所撮影性能の劇的な向上や、よりリッチな階調表現を実現する技術であると予想されます。
ハッセルブラッドが「色」の巨匠だったとすれば、OPPO LUMOは「光」の魔術師なのかもしれません。


なぜ「ブランド史上最高」と断言できるのか?
OnePlus社長が「史上最高」と自信を見せる理由は、LUMO技術だけではありません。OnePlus 15は、他のスペックも「異常事態」と言えるレベルで強化されています。
- 頭脳 (SoC): Snapdragon 8 Elite Gen 5
- バッテリー: 7,300mAh
- ディスプレイ: 165Hz
注目すべきは、7,300mAhという常軌を逸したバッテリー容量です。これは現行の多くのフラッグシップモデルの1.5倍近くに達します。Snapdragon 8 Elite Gen 5という最新鋭のチップと165Hzの超高速ディスプレイを搭載しても、なお一日中安心して使い倒せるスタミナを実現していることは、カメラ性能以前に大きな魅力です。
この圧倒的な「基礎体力」があるからこそ、LUMOイメージングシステムのような高度な画像処理も余裕をもってこなせる、という設計思想が伺えます。


「LUMO」が支える具体的な機能
では、肝心のカメラハードウェアはどうなっているのでしょうか。OnePlus 15は「50MPトリプルリアカメラ」を搭載します。
特筆すべきは、ペリスコープ望遠レンズの搭載です。これは3.5倍の光学ズームに対応し、ポートレート撮影などで使いやすい85mm相当の焦点距離を持ちます。遠くの被写体を高画質で引き寄せられるだけでなく、被写体を歪ませずに美しく切り取ることが可能になります。
さらに動画性能も圧巻です。4K 120fpsのドルビービジョン動画撮影に対応。映画のような滑らかで高画質な映像を、HDR(ハイダイナミックレンジ)で記録できるスペックは、プロの映像制作者の要求にも応えうるものです。
ハッセルブラッドの「遺産」は残るのか?
ファンにとって朗報もあります。ハッセルブラッド時代に培われた人気の機能、「マスターモード」や「XPanモード」は、OnePlus 15にも引き続き搭載されることが確認されました。
独自の色彩チューニングは失われるかもしれませんが、あの独特な撮影体験やアスペクト比(XPanモード)は継承されるようです。これは、過去の資産を切り捨てるのではなく、良い部分を進化させながら取り込んでいくというOnePlusの姿勢の表れと言えるでしょう。

発売日と価格戦略
OnePlus 15は、まず2024年10月27日に中国で発売されます。その後のグローバルリリースは11月に予定されています。
また、フラッグシップのOnePlus 15と同時に、より手頃な価格の「Ace 6」も発売されるとのこと。高価格帯の「15」と、コストパフォーマンスに優れる「Ace 6」という2つの選択肢を用意することで、幅広いユーザー層の取り込みを図る戦略です。
まとめ
ハッセルブラッドとの提携終了は、確かに一つの時代の終わりを感じさせ、寂しさを覚えるファンも多いでしょう。しかし、OnePlus 15が提示してきたスペックシートは、その感傷を吹き飛ばすほどの「本気」に満ち溢れています。
7,300mAhの超大容量バッテリー、165Hzディスプレイ、Snapdragon 8 Elite Gen 5という「やりすぎ」とも思える土台の上に、OPPOの秘密兵器「LUMO」技術と3.5倍ペリスコープ望遠、4K 120fpsドルビービジョンという強力なカメラが搭載されます。
これはもはや「ハッセルブラッドの代わり」を探すのではなく、OnePlusがOPPOグループの技術力を背景に、独自の力で「スマホカメラの頂点」を目指すという宣戦布告です。
「LUMO」技術の詳細がまだ不明な点は不安要素ですが、もしこれがOnePlus社長の言う通り「史上最高」のカメラ体験を実現するならば、OnePlus 15は2024年後半から2025年にかけてのスマートフォン市場において、最も注目すべき「怪物」となることは間違いありません。

