先日開催されたAppleの「Awe Dropping」イベント。新型iPhone 17シリーズやApple Watchなど、多くの新製品が発表され、世界中のファンが沸き立ちました。
中でも、新型AirPods Pro 3に搭載される「ライブ翻訳」機能は、多くのユーザーにとって待ち望んでいた夢のような機能でしょう。まるでSF映画のワンシーンのように、耳元でリアルタイムに言葉が翻訳される。そんな未来が、ついに現実のものとなるのです。
しかし、この革新的な機能には、誰もが気づかない「落とし穴」が隠されていました。実は、新型イヤホンに39,800円を支払ったとしても、すべてのiPhoneユーザーがこの機能を利用できるわけではないのです。今回は、その驚きの真実と、あなたがこの機能を使うために必要な条件を徹底解説します。


あなたのiPhoneは対応している?ライブ翻訳の意外な罠

AirPods Pro 3のライブ翻訳機能は、イヤホン単体で動作するわけではありません。この機能は「Apple Intelligence」によって有効化され、その処理はすべて接続されたiPhone上で行われます。つまり、この機能を利用するには、あなたのiPhoneが「Apple Intelligence」に対応している必要があるのです。
Appleが公式に発表したところによると、Apple Intelligenceに対応するのはiPhone 15 Pro以降のモデルのみ。これは、iPhone 15やそれ以前のモデルをお使いのユーザーにとっては、まさに青天の霹靂と言えるでしょう。ライブ翻訳を使いたければ、iPhone 15 Pro以降のモデルへの買い替えが必須となります。
これは、Appleが新機能を搭載することで、ユーザーの最新機種への移行を促すための戦略的な一手と見ることもできます。単にイヤホンを買い替えるだけでは得られない「特別な体験」を、最新のiPhoneユーザーに限定して提供することで、エコシステム全体のアップグレードを図っているのでしょう。

iPhoneだけじゃない!Apple Intelligence対応デバイスリスト
Apple Intelligenceは、iPhoneだけにとどまりません。以下のApple製品がこの高度な機能をサポートしています。
- iPhone 15 Pro以降
- iPad mini(A17 Pro搭載モデル)
- M1以降を搭載したiPadモデル
- M1以降を搭載したMac
- Apple Vision Pro
これらのデバイスをお持ちであれば、AirPods Pro 3との組み合わせでライブ翻訳を体験できる可能性があります。特に、すでにM1チップ搭載のiPadやMacをお使いの方は、機種変更の必要なく新機能を活用できるかもしれません。

旧モデルユーザーも諦めないで!朗報の可能性
「最新のAirPods Proを持っていないから、諦めるしかない…」
そう思った方には朗報です。今回の発表によると、ライブ翻訳はAirPods Pro 3だけの特権ではありません。今後のファームウェアアップデートにより、なんとAirPods Pro 2とAirPods 4のユーザーも、この機能を利用できるようになるとのことです。
AirPods Pro 3では、両方のイヤホンを装着したまま、互いの翻訳を直接耳で聞くことができる特別な体験が提供されますが、旧モデルでも同様の体験が可能になるのかは、現時点では不明です。しかし、高価な新型イヤホンに買い替えることなく、手持ちのデバイスで新機能が使える可能性があるというのは、多くのユーザーにとって非常にありがたい話でしょう。

日本語対応はいつ?今後の展望と期待
現時点でライブ翻訳がサポートしている言語は、英語(英国、米国)、フランス語(フランス)、ドイツ語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語(スペイン)とごくわずかです。しかし、Appleは今後、イタリア語、日本語、韓国語、中国語への対応を年内に予定していることを明らかにしています。
私たち日本人ユーザーにとっては、日本語対応がいつから始まるのかが最大の関心事でしょう。もし年内に対応が実現すれば、海外旅行やビジネスシーンでのコミュニケーションが劇的に変わる可能性があります。リアルタイム翻訳という夢の機能が、私たちの日常生活にどう浸透していくのか、今後のアップデートが非常に楽しみです。

まとめ
今回のAppleの発表は、期待と少しの戸惑いが入り混じったものでした。
AirPods Pro 3のライブ翻訳機能は、間違いなく革新的で、私たちのコミュニケーションのあり方を変える可能性を秘めています。しかし、その裏で「最新機種を持っていなければ使えない」という条件を突きつけている点が、どこかAppleらしさを感じさせます。
単なるハードウェアの進化だけでなく、ソフトウェアやAI、そしてエコシステム全体を連動させることで、次世代の体験を生み出そうとするAppleの戦略が見え隠れします。
今回は最新のiPhone 15 Proが対応機種でしたが、今後iPhone 16や17が登場するたびに、さらに高度な機能が最新機種限定でリリースされていくのでしょう。
とはいえ、旧モデルのAirPodsでも対応するという方針は、ユーザーへの配慮を感じさせます。ハードウェアとソフトウェア、そしてAIがシームレスに連携することで生まれる「未来の体験」。それが一部のユーザーに限定されたとしても、この一歩が今後のスマートデバイスの常識を変えていくことは間違いないでしょう。日本語対応の正式な開始を心待ちにしながら、来るべき「言葉の壁がない世界」に思いを馳せています。
