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「ページが見つかりません」。そんな無機質なエラー画面が、今はデジタル遺産に触れるタイムカプセルになっている。Appleが初代iPodの発表から25周年を記念し、Apple Musicの404エラーページに実物さながらに動作する「仮想iPod」を密かに配置した。
ブラウザで存在しないApple Musicのアドレスを打ち込むと、お馴染みの警告メッセージの傍らに懐かしいシルエットが浮かび上がる。初代iPodの精巧なレプリカだ。
単なる画像ではない。象徴的なスクロールホイールはもちろん、モノクロのディスプレイやメニュー構造に至るまで、当時の操作感がウェブ上で忠実に再現されている。PCの矢印キーとエンターキーを使った物理的な操作にも対応する徹底ぶり。
さらにマニアの心をくすぐるのが、「バージョン情報」画面に隠されたイースターエッグの存在。2001年当時の実機と同じく、中央ボタンを長押し(ウェブ版では約5秒)すると、ブロック崩しゲーム「Brick」が起動する仕掛けまで組み込まれている。
再生できる音楽は30秒から90秒のプレビュー音源に制限されている。たとえApple Musicにサインインしていてもフルトラック再生は許されない。このあたりは現在の厳格なライセンス管理を感じさせるが、仮想プレーヤーとしては十分な役割を果たしている。

2001年10月23日に399ドルで産声を上げ、世界中のポケットに音楽革命をもたらしたiPod。2022年に惜しまれつつ歴史に幕を下ろしたが、こうしたUIの「行き止まり」である404ページに自社の遺産を仕込む手法は、いかにもAppleらしい。
無味乾燥になりがちなエラー画面を、ブランド価値を高めるエンターテインメントに昇華させる。効率化ばかりが優先される現代のウェブデザインにおいて、このような「遊び心」を実装する余裕は他のテック企業にはなかなか見られない。
サブスクリプションの登録すら不要。誰もが無料でこの小さなタイムマシンにアクセス可能だ。四半世紀という節目に用意された粋な計らいは、音楽を「所有」する喜びを教えてくれたあの時代の記憶を鮮やかに蘇らせてくれる。今後も同社が過去のエポックメイキングな製品を、最新のプラットフォーム上でどう再定義し、我々を楽しませてくれるのか期待したい。
Source:Apple Music

