記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
スティーブ・ジョブズが生前「人間工学的に最悪」と否定し続けたタッチスクリーンが、ついにMacBookへ載る。Appleは長年守り続けてきた製品の境界線を、自ら壊しにかかった。
米ブルームバーグのマーク・ガーマン氏が報じたところによると、Appleは10月28日に報道関係者を招く終日ハンズオンイベントの招待をすでに開始した。新製品の発表直後にこれほど長時間の試用枠を用意するのは極めて異例であり、Appleの並々ならぬ自信がうかがえる。
今回の目玉は、間違いなく次世代MacBook Proだ。2021年にApple Silicon(M1 Pro/Max)を携えて登場して以来、実に数年ぶりとなるフルモデルチェンジを迎える。
Apple is now inviting some media to an all-day product launch experience on Oct. 28 in Los Angeles. This is for the touch-screen MacBooks, iPad mini, M6 Macs.
— Mark Gurman (@markgurman) October 15, 2026
ディスプレイにはMac史上初となる有機EL(OLED)パネルを採用し、待望のタッチ操作に対応。さらに現行筐体で指摘されていた野暮ったさを払拭し、わずかな薄型化と大幅な軽量化を実現する見込みだ。チップセットにはM5 ProおよびM5 Maxの採用が報じられている。
長年「指紋がつく」「iPadがある」としてタッチ対応を頑なに拒んできたAppleが方針転換を余儀なくされた背景には、AI PCを武器に台頭するWindows陣営への強い警戒感がある。ハイエンドノート市場において有機ELとタッチ操作が標準化するなか、iPadとの共喰いを恐れてMacのハードウェア進化を縛る猶予はなくなった。
ただし、進化の代償は価格に直結する。現行モデル(米国価格2,499ドル〜)をさらに上回るプレミアム価格の設定が濃厚で、プロフェッショナル専用機としての立ち位置を強烈にアピールすることになりそうだ。
その価格ショックを和らげるように、Appleは従来デザインを継承したM6搭載の14インチMacBook ProやiMacといった、より手の届きやすいモデルも同時投入する構えを見せる。さらにリフレッシュレートこそ60Hzに据え置かれるものの、初の有機ELを採用する新型iPad miniの登場も噂される。
タッチ操作の解禁によって、macOSのインターフェースやエコシステムがどこまで書き換わるのか。終日に及ぶ異例の試用時間は、Appleが提示する次世代コンピューティングの回答を世界が見定める場となる。


