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パッケージ版が消えても、ゲームソフトの価格はむしろ安くなる。元スクウェア・エニックスの事業責任者、ジェイコブ・ナヴォック氏が投げかけた大胆な予測が、ゲーム業界とユーザーの間で大きな波紋を広げています。
ソニーが将来的にPS5のディスク生産を終え、完全デジタル化へと舵を切る見方が強まるなか、多くのユーザーが恐れているのはPlayStation Storeの独占による価格の高止まりです。ソニーは2019年に小売店でのデジタルコード販売を禁じており、ディスクが消えれば新作の購入ルートはPS Store一択になります。実店舗との価格競争が消滅し、値崩れが起きにくくなるのではないかという懸念が持ち上がるのは当然の流れでしょう。
しかし、ナヴォック氏の分析は全く異なる力学に着目しています。パブリッシャー各社が店頭販売の縛りから解き放たれ、すべての戦場がデジタルストア一本に絞られたとき、真の価格破壊が始まるというのです。
Competition between publishers is what drives pricing pressure, not competition between digital stores. This is because publishers set pricing on digital stores.
— Jacob Navok (@JNavok) August 13, 2026
Competition between stores like EGS and Steam improves the take rates for developers, not necessarily the price for… https://t.co/6ZZw8EUJ5v pic.twitter.com/0QLQmclwsG
理由はシンプルで、ストア内に溢れる無数の競合タイトルからユーザーの可処分所得を奪い取るため、各社がこれまで以上に積極的な割引やセールを仕掛けざるを得なくなるからに他なりません。Steam市場で起きたような、発売からの時間経過に応じたダイナミックな価格引き下げがPS Storeでも常態化する、と同氏は指摘します。デジタルストアの価格設定権はプラットフォーマーではなくパブリッシャー側にあるという事実も、この競争を後押しする要因です。
もっとも、この見立てには見過ごせない死角も存在します。ディスク版の完全終了は、クリアしたゲームを売却して次の購入資金に充てる中古エコシステムの完全消滅を意味する点です。セールによる一時的な値引きが増えたとしても、定価そのものの高騰傾向や、売買の自由を失うユーザーの実質的な負担感までは相殺できない可能性があります。
パッケージの終焉がもたらすのは、激しい値引き競争による恩恵なのか、それとも選択肢を奪われたプラットフォームへの依存なのか。デジタルシフトの加速とともに、コンソールゲームの価格構造は今まさに大きな転換点を迎えています。


